「どんどん霧が濃くなる」大谷の通訳・水原さん解雇の衝撃 韓国開幕戦を制したドジャースに冷や水
3月20日のパドレスとドジャースの韓国開幕戦で、試合前に行われたセレモニー 【写真は共同】
昨夜、韓国のコチョクスカイドームで行われたドジャースとパドレスの開幕戦。ドジャースは八回、大谷翔平のタイムリーなどもあり、5対2と鮮やかな逆転勝ち。開幕戦を白星で飾った。大谷は5打数2安打、1打点、1盗塁だった。
しかし、朝起きてみると、ドジャースの勝利、大谷の活躍以上に、大谷を公私に渡って通訳として支えてきた水原一平さんがドジャースを解雇されたというニュースの方が、米国では大きく報じられていた。LAタイムズ紙、米スポーツ有線局「ESPN」など、速報扱いだった。
そうした報道をざっとまとめると、ざっとこんな経緯だ。
まず、水原さんが、南カリフォルニア州の違法スポーツブックメーカー、マッシュー・ボイヤーに借金を作った。
連邦捜査局がボイヤーの違法賭博を捜査している過程で、大谷の名前が浮上。ESPNは昨年9月と10月、大谷の口座からボイヤーの口座に50万ドルずつの送金があったことを確認している。
LAタイムズ、ESPNなどが大谷の代理人弁護士に問い合わせると、調査の結果、大谷はあくまでも被害者であり、水原さんが大谷の資金を私的流用していることが明らかになったという。
ESPNは3月19日、水原さんに90分にわたってインタビューを行った。その際に水原さんは、「翔平に借金の肩代わりを頼んだ」と認め、「ボイヤーとの取り引きは違法だとは知らなかった。翔平はまったく無関係」などと説明した。
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大谷の専属通訳・水原一平さん解雇の衝撃
3月21日、大谷の通訳・水原さん解雇の報道を受け、ドジャースのチーム宿舎に集まった報道陣 【写真は共同】
「翔平はもちろん、怒っていました。しかし彼は、私が二度と(ギャンブルを)しないように、という意味も込めて(借金を)払ってくれました」
ところが、翌20日になって水原さんは、「翔平はギャンブルの借金について、何も知らなかった。翔平がお金を送金したこともない」と前日のコメントを撤回。また、大谷の代理人弁護士は水原さんの説明を否認し、告発に踏み切ったーー。
今後、詳細がさらに明らかになる見込みだが、ちょうど20日のニューヨーク・タイムズ紙に大谷の記事を寄稿したスコット・ミラー記者も、「なんてことだ。ちょっと信じられない」と言葉をなくしていた。
このタイミングで明らかになったことで、韓国での開幕シリーズに冷や水を浴びせることになった。ある代理人はこう指摘する。
「新たな話も出て来てきて、どんどん霧が濃くなるようだ」