常勝軍団復活を目論むソフトバンク 充実の救援陣が強み、課題のスターターを整備できるか?
甲斐拓也に続く存在が待たれるキャッチャー陣
ソフトバンク野手:2023年ポジション別得点貢献度 【データスタジアム株式会社】
一方で、チームの捕手陣は甲斐に依存した体制となってしまっているため、他の選手の台頭にも期待したいところ。9年目の谷川原健太は近年外野手として出場数を増やしていたものの、今季は捕手一本で勝負することを決めた。このほか、ディフェンスに定評のある海野隆司、移籍2年目の嶺井博希らも定位置争いに加わり、キャッチャー陣全体の底上げを図りたいところだ。
山川穂高の加入で得点力アップを期待
サードのポジションは、度重なるケガからの復活を目指す栗原陵矢の開幕スタメンが有力視されているものの、2020年のドラフト1位・井上朋也、二軍で4年連続の本塁打王に輝いたリチャードらもアピールを継続。このほか、昨季プロ初本塁打をマークした野村大樹、左坐骨(ざこつ)骨折からの復帰を目指す野村勇らも出場機会をうかがっている。
センターの枠をつかむのは誰か
両翼のポジションは攻撃で大きな貢献度を生み出している。移籍2年目となる近藤は、今季も打線の柱となりそうだ 【写真は共同】
残るセンターのポジションは、昨季52試合にスタメン出場した牧原大がセカンドに専念する影響もあり、明確なレギュラーは決まっていない。その中で存在感を示しているのが、周東佑京だ。昨季は9、10月度に打率.330をマークし、自身初の月間MVPを獲得。ここまでのオープン戦でもバットで好調ぶりを示しており、リードオフマンの座を射止めたいところだ。その周東に待ったをかけるのが5年目の柳町達。昨季は自己最多の116試合に出場し、出塁率.375と好成績を残した。オフには長打力向上を掲げてトレーニングに励むなど、こちらも虎視眈々(たんたん)とレギュラーの座を狙っている。若手では育成3年目の川村友斗に注目。オープン戦では走攻守に存在感を示しており、支配下登録を十分狙える成績を残している。
小久保新監督は「巨大組織」の強みを生かせるか
また、支配下登録へ猛アピールを続けている川村など、四軍まで保有する巨大組織は育成選手の有望株も多くそろえており、シーズン中の戦力の上乗せも期待される。満を持して一軍の指揮を執る小久保監督の手腕に注目したい。