高知の選手たちは野球も夢も「堅実」 クリスマスや誕生日で一体感を醸成
センバツ出場が決まり喜ぶ高知の選手たち 【中川祐一撮影】
選手たちの仲の良さが際立つ
選手たちへのアンケートでは、部員同士の仲の良さがにじみ出ていた。中堅手の日野翔大選手は、今まで最も印象的な出来事に挙げたアンケート回答の一つに「今のメンバーで楽しい日々を送れていること」と回答した。川村光輝主将や白井佑青選手は「(29人の)2年生全員で焼き肉に行ったこと」とし、「寮のみんなとクリスマスに遊んだ時」や「2年の寮生で一人一人の誕生日パーティーをすること」と回答した選手もいた。川村主将もチームの自慢を「1、2年生関係なくとても仲が良いこと」と胸を張る。
連帯感に裏打ちされた堅守で中盤まで辛抱し、接戦で迎えた終盤に突き放すのがパターンだ。秋季四国大会は、全18得点のうち、12点を終盤に挙げた。初戦の今治西戦は八回に7得点、決勝の阿南光戦は九回に4得点のビッグイニングを作り、試合を決めた。攻撃力も一気呵成の一体感に満ちている。
手堅いチームらしい職業が人気
大会前に主催者が高知の選手24人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】
回答全体では、プロ野球選手という回答が「米大リーグ選手」も含めて計8人で最多。教師は、中学校の体育教師を希望した選手が2人。ほかにも「野球の指導者」や「理学療法士」といった回答があり、打ち込んできた野球をはじめとするスポーツに長く携わる夢を描く選手が多い。
また、建築士やグラブ職人といった物づくりに興味を持つ選手も。「ホテルマン」を挙げた選手もいた。最速148キロの直球を持ち、プロからも注目を集める本格派右腕の平投手は、チームでただ一人「米大リーグ選手」と回答。野球選手として将来が楽しみな選手だけに夢も大きい。
秋は主に先発を託されることが多かった辻井投手は、三国志にある言葉で「竜のように躍動し、虎のようににらみをきかせる」諸葛孔明の志を表現した「竜驤虎視(りゅうじょうこし)」を好きな言葉として挙げた。天才軍師のイメージを心に秘め、昨秋の明治神宮大会で延長タイブレークの末にサヨナラ負けした豊川へのリベンジを期す。