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高知の選手たちは野球も夢も「堅実」 クリスマスや誕生日で一体感を醸成

毎日新聞

堅牢な守備はトップクラス  新バットも「軟式」対応

投打でチームを引っ張る辻井翔大投手 【中川祐一撮影】

 秋の四国王者の名にふさわしい充実ぶりだ。プロも注目する右腕2人をそろえバックは堅固。守備力は全国屈指の高いレベルだろう。

 辻井投手から平投手につなぐ流れが必勝パターンだ。辻井投手は最速145キロのストレートを軸に、スライダー、カットボール、カーブ、スプリットを操る。冬場は球速を上げようと筋力強化に努めた。打者としても中軸級で、降板後は外野に回る頼もしい存在だ。

 試合を締める平投手は最速148キロ。カットボール、チェンジアップ、スライダー、カーブが持ち球だ。縦変化に近いチェンジアップに自信を持つ。ひと冬越えて球のキレが増した。

 この2人をリードするのが2年生捕手の片井翔太選手だ。昨秋に強肩を買われ、コンバートされてポジションをつかんだ。経験は浅いが、打者の嫌がる部分を観察して配球するなどインサイドワークにも優れる。回転すしに行けば40皿も食べる大食漢で体力もある。物おじしない性格で、上級生の辻井投手、平投手を鼓舞したり、注意したりすることもためらわない。

 新チーム発足直後は守備のミスが多く、不安の声もあった。だが、二遊間の守備位置を入れ替えて二塁・筒井海斗選手、遊撃・箕浦充輝選手とし、守りが堅実になった。さらに各選手が守備の精度を高めるための自主練習に取り組み、実戦でのミスは大幅に減った。

 打線の中心は辻井投手、平投手とともに前回大会で登板した実績を持つ谷口隼斗選手。肘や肩に不安があるため、現在は一塁に専念するが、打力がある。

打撃は低い弾道意識

打線の中軸を担う谷口隼斗選手 【三村政司撮影】

 浜口佳久監督がポイントに挙げるのは攻撃面だ。今大会から金属バットの仕様が変わり飛距離が落ちる。安易に打ち上げるのではなく、コンパクトなスイングで低い弾道を打つことを意識させている。谷口選手や辻井投手のように「飛ばないバット」を苦にしない選手もいるが、全員が対応できているわけではない。「4番だった谷口を上げるか、それともそのままで行くか」と打順の組み替えに悩む。

 ただ、系列の高知中で軟式の監督を経験しており、点が入りにくい状況は慣れたもの。「軟式の戦い方を久々にやろうかな」と、僅差で競り勝つ野球をすべく知謀を巡らせる。

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