新興校に現れた名将 創志学園に浸透し始めた「アグレッシブ」
センバツ出場が決まり喜ぶ創志学園の選手たち 【久保玲撮影】
「常に攻める姿勢で」
そんなチームを22年8月から率いるのは東海大相模(神奈川)を甲子園で春夏合わせて4度優勝に導いた名将・門馬敬治監督。薫陶を受けた原貢さんの「攻撃は最大の防御なり」という教えを継承し、東海大相模で長年スローガンとして掲げてきた「アグレッシブ・ベースボール」は、新天地でも健在だ。チームへのアンケートでも「常に攻める姿勢でバットを振っていきたい」と積極的な打撃を掲げている。
豊島虎児(とらじ)主将は「常に甲子園基準で練習に取り組んでいる」と日頃からの意識の高さを強調する。甲子園での戦い方についても「いつも通り」を大切にする。特別なことを求めるのではなく、当たり前の水準をあげていくために毎日の練習を積み重ねている。
豊島主将は食事で気をつけていることに「ご飯一粒、サラダ一切残さず食べること」を挙げた。門馬監督が就任してからの決めごとで、作ってくれた人への感謝の気持ちを込めている。食堂や寮の掃除など「門馬監督になって寮生活の意識がかわった」(豊島主将)といい、生活面から高い意識をもたせる名将の教えがうかがえる。
7割が「野球人生で忘れられない出来事」に挙げたのは・・・
大会前に主催者が創志学園の記録員含めた21人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】
両チーム無得点の膠着(こうちゃく)状態のまま九回までもつれるなか、一振りで試合を決めた劇的なソロアーチ。初球を豪快に左翼席に運んだ奥本選手本人も、「広島新庄戦のサヨナラホームラン」と回答し、一人で119球を投げ抜いた先発の山口瑛太投手も「奥本のホームラン」とたたえた。一方で角戸陽成選手は、「山口の広島新庄でのピッチング」と回答し、エースの踏ん張りを挙げた。
「将来の夢」では山口投手ら6人がプロ野球選手と回答。教師や消防士といった公的性格の強い専門職を志望する選手や、「安定した生活を送る」「好きなことで生計を立てる」という回答も見られた。豪快な一発で多くの仲間にインパクトを残した奥本選手は「探し中」。好きな言葉「志高く」を胸に、夢舞台から未来を描く。