センバツLIVE! 全32校アンケート分析

新興校に現れた名将 創志学園に浸透し始めた「アグレッシブ」

毎日新聞

左右の二枚看板がけん引  積極果敢な攻撃で得点狙う

力強い腕の振りを見せるエース左腕の山口瑛太投手 【川地隆史撮影】

 春夏計4度の甲子園優勝を誇る指導者が、新たなユニホームで聖地に戻ってくる。東海大相模の監督を退任し、その1年後の2022年8月から指揮を執る門馬監督は「一度高校野球を離れたが、再びあの場所(甲子園)に行くことができることに感謝したい」と感慨深げだ。

 チームのストロングポイントは、昨秋の公式戦でともに防御率0点台をマークした左右の二枚看板だ。左腕・山口投手は身長172センチと小柄ながら、力強い腕の振りでテンポ良く打者を打ち取る。制球力が持ち味で昨秋は23回3分の1を投げて、四死球はわずかに2個だった。冬場は体重を増やすなど体作りに励み、「より強いボールを投げられるようにしたい」と意気込む。

 184センチの長身右腕・中野光琉投手は最速146キロの本格派。スタミナ十分で昨秋の完投数は5試合を数えた。まだまだ身長も伸び続けている大器は「センバツでは150キロを出したい」と鼻息も荒い。目指す投手像は昨季パ・リーグで新人王を獲得した山下舜平大投手(オリックス)だ。

 門馬監督が前任校時代から長くスローガンとしてきた「アグレッシブ・ベースボール」が浸透してきた。象徴的な存在は左打者の1番・亀谷理仁選手だ。浅いカウントからでも積極的にスイングし、甘い球を見逃さない。昨秋はチームトップの14安打。中国大会準決勝の高川学園(山口)戦では一回に2球目を捉える二塁打で一挙3点を奪う足掛かりをつくり、三回も先頭で初球を二塁打とし、きっちり生還した。

「選手同士で厳しく指摘」

「アグレッシブ・ベースボール」の象徴的存在である亀谷理仁選手 【北村隆夫撮影】

 走塁面ではチーム全体で相手のミスにつけ込むなど、常に先の塁を狙う意識が高く、得点に結びつけてきた。

 チームにとって念願のセンバツ出場は、門馬監督体制となって初めて迎えた夏の屈辱を糧にして勝ち取ったものだ。昨夏の岡山大会は初戦の2回戦で岡山南に5-8で敗れ、勝負の怖さを思い知らされた。

 主将の豊島選手は「厳しさが足りず、このままでは勝てないことが分かった。選手同士で厳しく指摘しあえる雰囲気ができた」とチームの成長を語り、「甲子園では自分たちらしく積極的に攻め続ける野球を見せたい」と力を込める。

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