専用グラウンドも室内練習場もなし 耐久、19人でつかんだ初出場
センバツ初出場が決まり喜ぶ耐久の選手たち 【西村剛撮影】
「勝つ気しかない」優勝候補は自分たち
ナイター設備はあるものの、強豪の私立校とは異なり、専用のグラウンドや室内練習場もない。選手の数は19人と少人数ながら、監督・主将が口をそろえる仲の良さが魅力のチームだ。選手全員の投票によって選ばれた赤山侑斗主将は、練習の方針など選手みんなの意見を聞くことを大切にしている。意見がまとまらなかったり、全員の気持ちが一つにならなかったりと苦労はあるものの、井原正善監督も「チームを引っ張っている」と信頼を寄せる。頭髪は自由。全体の練習メニューにも個人の課題練習を取り入れるなど自主性を重んじる。
甲子園常連校がひしめく近畿大会を準決勝まで勝ち抜いた自信からか、赤山主将は、今大会の優勝候補には「耐久」の2文字とともにこう記した。「勝つ気しかない」。でっかい夢を膨らませている。
いざ夢舞台 選手らは強豪との対戦を熱望
大会前に主催者が耐久の選手19人に実施した「将来の夢」アンケート調査結果 【毎日新聞】
アンケートでは、「対戦したい学校」について質問。昨秋の明治神宮大会優勝の星稜を挙げた選手は5人だった。「日本一の学校と戦ってみたい」「世代を代表する選手と対戦してみたい」などが理由だった。昨秋の近畿大会を制した大阪桐蔭も5人いた。この大会で耐久は準決勝で涙を飲み、決勝で大阪桐蔭とぶつかる機会を逃しているだけに、高校球界をリードする同校との対戦を熱望する強い気持ちが感じられた。21世紀枠で76年ぶりのセンバツを決めた田辺との「和歌山勢対決」を望む選手もいた。
「将来の夢」を尋ねる質問では、「スポーツトレーナー」や「理学療法士」など野球の経験をもとに仕事に就きたいと答える選手が最多の8人だった。チームの柱となる冷水孝輔投手も「野球に関わる仕事」を夢として挙げた。「消防士」「教師」の志望は2人ずつ。介護士や「人の助けになる仕事」と書いた選手も複数いた。「プロ野球選手」という回答はなかった。
趣味では、音楽や映画鑑賞と答える選手が多かった。サウナや折り紙など個性的な回答も目を引いた。