センバツLIVE! 全32校アンケート分析

専用グラウンドも室内練習場もなし 耐久、19人でつかんだ初出場

毎日新聞

創部119年で初の聖地に エース冷水中心に守り勝つ

エースの冷水孝輔投手 【西村剛撮影】

 昨秋の和歌山大会で初優勝し、近畿大会は4強。1905年の創部以来、春夏通じて初の甲子園出場を果たした。

  躍進の立役者となったのが、右腕の冷水孝輔投手だ。全9試合を1人で投げ抜き、防御率は1.73。得点圏に走者を背負っても大量失点せず、要所を締める投球が光った。「一番自信がある」というキレの良い直球をコースに投げ分け、勝負どころで三振を取れる。他にも、打者の手元で動くツーシームや鋭く変化するカットボール、縦に曲がるスライダーを操る。「三つ(の球種)を使って、真っすぐをどう生かすかという考えで投げている」とイメージを語る。

 社(兵庫)との近畿大会1回戦で162球を投じた翌日、須磨翔風(同)との準々決勝で1失点完投するなど、連投を苦にしないスタミナも持ち味だ。マウンドに立ち続け、次第に「リラックスした状態からでも同じ質、球速で投げられるようになった」と冷水投手。井原監督も「昨秋は冷水で勝ってきた。センバツもそこは貫き通したい」とチームの命運を託す。

 エースが安定しているだけに、野手陣の奮起がカギを握る。チーム打率は2割7分6厘と高くない。だが、相手の勝負球を見逃して四球をもぎ取ったり、盗塁を積極的に仕掛けたりするなど、選手たちは「安打以外でのつなぎ」を大事にしてきた。須磨翔風との一戦で、八回に盗塁と四球を絡めて1死満塁とし、犠飛と適時二塁打で2点を加えた場面は象徴的だ。

躍進のカギ、握る中軸打者

白井颯悟選手 【安西李姫撮影】

 その中で走者を還す役割を期待されるのが、昨秋は5番に座った白井颯悟選手。2年生ながら打率3割8分7厘、11打点、2本塁打といずれもチームトップをマークした。井原監督は「3番の沢剣太郎がつなぐタイプで、4番の岡川翔建は足があり、5番で好機が来ることが多かった。白井はチャンスで自分のスイングができる」と評する。

 主将の赤山選手は「出場が決まり、大舞台でしっかりやらないといけないという責任感が強い。冷水投手を中心に、ロースコアで粘って守り勝つ野球を見せたい」と力を込める。校名のように「耐えて勝つ」野球で、まずは聖地での初勝利をつかみたい。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント