甲子園に戻ってきた京都外大西 強豪ひしめく近畿で躍進の秘訣は
センバツ出場を決め喜びを爆発させる京都外大西の選手たち 【水谷怜央那撮影】
躍進の裏に「飲み放題」のプロテイン 久々の球春、燃える心
乾光葵主将によると、チームでは、炭酸飲料やカップ麺が禁止されている。一方でプロテインは「飲み放題」。強豪が居並ぶ近畿で勝ち抜くための基礎を、きめ細かな食事へのこだわりが形作っている。
昨夏には大敗も経験した。夏の甲子園をかけた京都大会は4回戦で京都国際と対戦した。近年は甲子園でも活躍し、上羽功晃監督も「京都で一番強い」と評するチームに、春夏通算15回の甲子園出場を誇る京都外大西はまったく歯が立たず、七回コールド負けを喫した。しかし、新チームで臨んだ秋の京都府大会、決勝で再び対戦すると、2―1で白星をもぎ取った。学校が掲げる教育方針は「不撓不屈」。どんな困難でも決してあきらめないという精神をまさに体現した勝利だった。乾主将は、「これまで最も感動した瞬間」として、この勝利を挙げ「決勝戦という大きな舞台でリベンジできた」とその理由を記した。
その後、チームはリベンジの勢いのままに、近畿大会でも快進撃をみせた。乾主将は「18年ぶりのセンバツ出場で燃えている」。久しぶりの聖地での躍進を目指し、ナインの心にも火が付いている。
人気の夢は教師と消防士 ジャグリングなど多彩な特技も
大会前に主催者が京都外大西の選手42人に実施した「将来の夢」アンケート調査結果 【毎日新聞】
アンケートに回答したのは野球部員42人。これら二つの職業を夢見る選手は10人で、自衛官も1人いた。「幸せに暮らす」「人の助けになる仕事に就く」と答えた部員も多くいた。一方、「野球を長く続ける」「スポーツに関連する仕事」も合計11人おり、白球を追い続ける今の経験を生かした道を模索する選手も目立った。「プロ野球選手」と答えたのは、エースの田中遙音投手ら3人だった。
趣味では、音楽鑑賞や漫画・アニメ、YouTube視聴が多く寄せられた。「K-POPの推し活」という今どきの高校生らしい回答もあった。田中投手は「人間観察」と記載。他の選手も、ジャグリング、けん玉など個性を感じさせる答えが目立った。同校の授業にも取り入れられているからか、「ヨット」を特技とする選手もいた。
対戦したい学校は、6割以上の27人が大阪桐蔭を挙げた。秋の近畿大会決勝で1-2で惜敗し、相手先発の右腕・森陽樹投手は7回3安打で無得点に抑えられた。「森投手には完璧に抑えられてしまったが、負けっぱなしでは終われない」と谷春毅選手。センバツでの雪辱を誓う。