センバツLIVE! 全32校アンケート分析

甲子園に戻ってきた京都外大西 強豪ひしめく近畿で躍進の秘訣は

毎日新聞

エース左腕・田中が急成長 18年ぶりセンバツで上位を狙う

京都外大西のエース・田中遙音投手 【山崎一輝撮影】

 群雄割拠の京都を制し、近畿大会は決勝まで勝ち進んだ。3連覇した大阪桐蔭には1-2で惜敗したが、粘り強い戦いで18年ぶりのセンバツ出場をたぐり寄せた。

 快進撃の立役者は急成長した左腕・田中投手だ。新チーム結成後「エースとして引っ張っていく」と強い覚悟を持ち、投げ込みを増やすなどスタミナ強化に取り組んだ。昨秋は全10試合に登板し、70回3分の2を投げて防御率は1.53と安定感を見せた。近畿大会準決勝の耐久戦では4安打11奪三振で完封した。

 直球の最速は135キロで、変化球とのコンビネーションで打者を打ち取る。相手のタイミングを崩すチェンジアップを得意とし、捕手の下曽山仁選手は「まともに捉えられることはなかった」と信頼を置く。ピンチにも動じない強気の投球も魅力的。田中投手は「もっと体を大きくしてボールの質を磨いていきたい」と大舞台での活躍を見据える。

 打線は犠打や機動力を織り交ぜながら得点圏に走者を置き、クリーンアップが生還させる。3番・松岡耀選手、4番・相馬悠人選手、5番・田中投手はいずれも打率が3割超え。チームトップの9打点を稼いだ相馬選手は「甘い球を一発で仕留めることを意識してきた。さらにミート力を上げていきたい」と中心打者としての自覚を持つ。

地道な鍛錬重ね、甲子園常連に負けないチームへ

守備練習をする下曽山仁選手 【山崎一輝撮影】

 就任20年目の上羽監督は「基本に忠実で泥臭い野球」を掲げてきた。全力疾走はもちろんのこと、守備では捕球が難しい打球に対しては体で止め、打席では追い込まれてもファウルを打ちながら四球を選ぶなど、粘り強さを信条とする。

 さらに、社会人野球の神戸製鋼でプレーした経験を持つ指揮官は「君たちはゴールドではない。鉄の軍団だ」と選手に呼び掛ける。鉄は、たたいたり伸ばしたりするなど手を加えることで、社会に役立つものに変化していく。そう例えながら地道な鍛錬を重ねることの意義を強調し、甲子園常連校に負けないチームを目指してきた。

 乾主将は「粘り強さには自信がある。久々の甲子園出場を機に、新たなチームの歴史を作っていきたい」と意気込み、一戦必勝で上位を狙う。

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