宇治山田商、モットーの「自主性」で野球に磨きをかける
センバツへ意気込みを見せる宇治山田商の選手ら 【原諒馬撮影】
世紀超す伝統校が重んじる「自主性」
村田監督が選手らに求めるのは「自ら目的意識を持って行動し練習、プレーする」という姿勢。自分で課題を見つけて取り組む自主性が必要であるとし、そこで学んだ力は「試合中に相手の変化に気づいたり、流れを読んだりする力につながる」という。また、けがや故障をしないための自己管理も重視。「好きで始めた野球を長く続けられるように」というやさしさを込める。
監督の指導方針は主将にもしっかりと伝わっている。伊藤主将が考えるチーム自慢は「自主性、主体性」。リーダーとして、周囲への目配りや多くのチームメートとのコミュニケーションを心がけている。そもそも、主将の選考法も「立候補」や「同級生で協議」で、選手たち自らが決めるという考え方が定着している。
三重県勢のセンバツ出場は2019年以来。白星は三重が4強に入った2018年を最後に途絶えている。出場校選考でも評価された堅守を軸に、「山商」は自らの手で勝利をつかみ取りにいく。
「あきらめたらそこで試合終了」 健大高崎など強豪との力試しに胸膨らます
大会前に主催者が宇治山田商の選手20人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】
対戦したい学校や選手を尋ねた主催者アンケートをみると、各地の強豪校の名前がずらりと並んだ。回答した20人のうち6人が記したのは健大高崎。U15日本代表に選ばれた経験を持つエース左腕・佐藤龍月投手の名前を挙げ、好投手との対戦を熱望する回答もあった。東海大会準決勝で対戦し、最終回に2点差をひっくり返されサヨナラ負けした豊川との再戦を希望する選手も同じく6人だった。
将来の夢では、何らかの形でスポーツに関わる仕事を挙げた選手が多く、「プロ野球選手」と答えた選手も4人いた。他には体育教師や救急救命士、海外で働くことなどもあった。商業高校生らしく、「簿記を生かした仕事」という回答もあった。趣味は「鉄道」と答えた羽根俐琥選手は「JR東海の運転手」を夢見ていた。
アンケートでは好きな言葉についても尋ねた。「勝っておごらず、負けて腐らず」など勝負にまつわる言葉が多く、 郷壱成選手は人気漫画「スラムダンク」内の名セリフ「あきらめたらそこで試合終了」を挙げた。柴山塁選手は「山商愛」と回答した。「山商」は宇治山田商の愛称。学校愛あふれる選手たちは、甲子園で全力のプレーをみせてくれそうだ。