強力な打線を誇る豊川 苦しい試合だって「全員で勝ち抜く」
センバツ出場が決定し喜ぶ豊川の選手たち 【武市公孝撮影】
大会最年少監督率いる豊川のチーム力
今大会の出場校中で最年少。30歳でチームを率いる長谷川監督は、控え部員も含めたチームの一体感を特色として挙げ、「どこにも負けない」と誇らしげだ。練習が始まる前には、気持ちを一つに合わせられるよう全員で行進の練習にも取り組んでいる。指導陣は平均年齢27歳と若く、部員との距離が近いのも特徴の一つだ。鈴木主将も普段から「雰囲気作り」を意識しているといい、一丸となれる環境作りに努めている。
昨秋は東海大会準決勝で九回に2点差をひっくり返す劇的なサヨナラ勝ち。愛知勢対決となった決勝も苦しい展開ながら1点差で逃げ切った。10年ぶりの甲子園でも、居並ぶ全国の強豪たちと厳しいしのぎ合いが予想されるものの、長谷川監督は「苦しい試合は全員で戦ってきた自負がある」。どんな苦難もチーム力で乗り切っていく。
神宮の借りを返す 星稜との再戦望む声強く
大会前に主催者が豊川の選手26人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】
昨秋の東海チャンピオンのプライドを胸に臨んだ神宮大会。豊川は2回戦で高知との延長十一回タイブレークの死闘を制すと、準決勝で星稜と対戦した。結果は五回コールド負け。豊川が繰り出す4投手が2本塁打を含む合計16安打を浴びる完敗だった。
アンケートでは、回答した26人の6割に迫る15人が星稜との再戦を希望した。今センバツの注目打者の1人、モイセエフ選手は「神宮大会で15対3で負け、リベンジしたいから」とその理由をきっぱり。平野将馬投手は星稜の芦硲晃太選手の名前を挙げて、「大きいホームランを打たれたから」と神宮での悔しさをにじませた。他の選手の回答にも「リベンジ」の文字が並び、雪辱への決意が現れていた。
一方、将来の夢に関する質問では、「野球選手」を挙げる選手は2人だけ。そのうちの1人、平野投手は「都市対抗野球で活躍する」と記し、社会人野球の強豪チームが居並ぶ東海らしさを感じさせた。「幸せになる」と答えた選手も5人いた。