ホーバスジャパン「パリ五輪に向けて」重要な2連戦…グアム&中国代表戦プレビュー
昨夏、ホーバスHC率いる男子代表は日本を熱狂の渦に巻き込んだ 【(C)バスケットボールキング/伊藤大允】
日本代表の再始動戦は、アジア最強決定戦の予選
「FIBAアジアカップ2025予選Window1」で22日にグアム代表(世界ランキング76位)、25日に中国代表(同29位)と対戦する日本(同26位)は、今月中旬より直前合宿を行っている。ワールドカップでスタンダードを上げた日本が、パリオリンピックへ向けてどのような戦いぶりをするかという視点からもこの2試合は注目が集まる。
アジアカップは4年に1度開催されるアジア地域の最強を決める大会で、インドネシアのジャカルタで行われた2022年大会(東京オリンピック延期の影響で当初の開催時期から1年後ろ倒しとなった)で日本は、最終的に優勝を果たしたオーストラリアに準々決勝で敗れ7位だった。日本は今回の予選で上記の2カ国に加え、モンゴルと同じグループCとなった。
同予選は24チームが6つの組に分かれてホーム&アウェー方式で総当たり戦を行い、各組の成績上位2チームが予選を突破。さらに、各組3位の6チームから4チームが勝ち上がる最終予選を経て、来年8月にサウジアラビアで開催される本大会出場チームを決定する。アジアカップ本大会出場の16チームは、2027年ワールドカップ・アジア地区予選への出場権も同時に獲得することになる。
パリオリンピックというワールドカップ以上に高いレベルでのパフォーマンスが要求される舞台へ向け、チームは再び熾烈なチーム内での競争を開始するとともに、チームとしての完成度を高めていく作業に入っていく。
国内のW杯メンバーに加えて実力確かな“新顔”が集結
ホーバスHC体制下で初召集された阿部諒(左・仙台)とジョシュ・ハレルソン(右・佐賀) 【(C)B.LEAGUE】
NBAデトロイト・ピストンズなどの所属経験があり昨年、日本国籍を取得した208センチのジョシュ・ハレルソンは、リバウンドや高い3ポイント成功率(Bリーグでのそれは39.8パーセント)が武器。ジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)という絶対的な存在はいるものの、35歳は日本代表のスタイルにどこまでフィットできるかが試される。
阿部や琉球ゴールデンキングスでエース格へと成長した今村佳太といったシューティングガードは、得点のみならずどれだけ味方を生かすアシストができるかどうか。三谷桂司朗(広島ドラゴンフライズ)や金近廉(千葉ジェッツ)、川島といった若手の選手たちがどこまで自分たちの力量を発揮できるかなどが、見るべき点となる。
伸び盛りの若手にも注目(左・三谷桂司朗/広島、右・金近廉/千葉) 【(C)B.LEAGUE】
ちなみに、2月16日の代表の公開練習では、ホーバスHCの口からパリオリンピックでの日本の目標が「パリで試合をすること(=ベスト8進出)」と発表された。同大会での1次ラウンドはパリから200キロ以上離れたリール市で行われる。「パリで試合をすること」とはつまり、同ラウンドを突破することにほかならない。
ワールドカップではリバウンドが全体21位の平均35本、当初4割前後を目指していた3ポイントの確率が31.3パーセントにとどまったが、こうしたところが課題として残った。今回の合宿ではホーバスHCからより多くのキャッチ&シュート(パスを受けてすぐに打つ3ポイント)を打つように指示されているようで、グアム、中国戦でも重点箇所となるだろう。