セレッソ大阪【J1リーグ第4節 C大阪vs.新潟】2度先行される苦しい展開も、中島元彦、ラファエル ハットンと古巣戦に臨んだ2人のゴールで劇的な引き分け

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【CEREZO OSAKA】

前節の柏レイソル戦から中3日。セレッソ大阪は、再び敵地に乗り込み、3試合ぶりの勝利を目指してアルビレックス新潟との明治安田J1リーグ第4節に臨んだ。先発は柏戦から4人変更。チアゴ アンドラーデ、ヴィトール ブエノが今季初スタメンを飾り、ルーカス フェルナンデスと畠中槙之輔が2試合ぶりに先発復帰した。システムは田中駿汰がアンカーに、北野颯太とブエノがインサイドハーフに並ぶ4-3-3となった。

試合は立ち上がりからセレッソがボールを保持。右サイドから攻め込むと、7分に決定機。CKのセカンドボールを拾ったフェルナンデスのクロスに田中が頭で合わせたが、相手GKの好守に阻まれた。7分には決定機が続く。今度は流れの中からフェルナンデスのクロスにブエノが飛び込むと、DFのクリアがクロスバーを直撃。オウンゴールで先制か、というシーンだった。良い入りをしたセレッソだったが、この試合は前からの守備が機能しない。10分を過ぎたあたりからプレスを外され、サイドに展開され、前に運ばれてピンチが続くと、17分に失点。西尾隆矢、奥田、フェルナンデスと右サイドでつないだところを奪われると、背後を狙われて相手に走られ、カバーに入った西尾も止めることができず、後方から走り込んできた稲村隼翔のクロス性のシュートをGKキム ジンヒョンが弾いたこぼれ球を矢村健に詰められた。ビルドアップの途中で奪われ、両サイドバックの背後を取られて失点という形は今季の失点パターンにもなっている。長所の裏返しでもあるのだが、今後何とか改善したい。良い入りをしながら自滅のような形で流れを失うと、ここから新潟の勢いが加速する。18分、24分と新潟に決定機を作られたが、ここを凌いだことで、28分、セレッソが同点に追い付く。畠中の縦パスを中島が落とし、ブエノが粘って右サイドへ展開。奥田からフェルナンデスへパスが渡り、フェルナンデスの低くて速いクロスに頭で合わせたのは中島元彦。直近の連敗中はチャンスで仕留めることができず、悔しさを抱えていた背番号13が同点ゴールを決めた。2020シーズンの新潟在籍時はコロナ禍で声援はなし、入場制限もあった中での試合だっただけに、今節の試合後は、「J1の舞台でこの大歓声の中でプレーできたことは感慨深かったです」としみじみ話した。その後、前半の終盤は新潟にゴールを脅かされたが、2失点目は喫することなく前半は同点で折り返した。

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後半、最初のチャンスはセレッソ。51分、前からの守備でボールを奪い、素早くフィニッシュへ持ち込み北野がシュート。54分には左サイドの2人を交代。舩木に代えて、AFC U-20アジアカップ中国2025から戻ったばかりの髙橋仁胡、アンドラーデに代えて阪田澪哉を投入し、テコ入れを図る。勝ち越しに向けてギアを上げていきたいところだったが、ボールが落ち着かず、前へ運べなくなると、徐々に新潟に押し込まれて背後を取られ出し、62分に失点。自陣の左サイドでボールを失うと、そこから逆サイドへ展開され、クロスにニアで合わせられた。1失点目も含め、過程における寄せの甘さも目立った。勝ち越した新潟が前から勢いよく来る中で、セレッソはチャンスを作れないまま時間が経過。75分、アーサー パパス監督は最後の交代策として、ラファエル ハットンと柴山昌也を投入する。新潟も84分、最後の選手交代で布陣を5バックに変更すると、引いた新潟に対し、セレッソがボールを握り、敵陣深くまで進入していく。その流れの中で、後半アディショナルタイムに起死回生の同点ゴールが生まれた。右サイドでボールをつないで相手を揺さぶると、中央から右サイドの奥へ走り込んだ髙橋に田中がスルーパス。受けた髙橋がニアへクロスを上げると、GKがこぼしたところに詰めたハットンがゴールへ押し込んだ。中島と同様、新潟に在籍経験のある背番号9の今季初ゴールで追いつくと、2分後、再び右サイドを破り、西尾のクロスからハットンにさらなるチャンスも、ここはシュートを打ち切れず。試合はこのまま2-2で終了。敗色濃厚な一戦だったが、土壇場で引き分けに持ち込んだ。

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「今日は切り替えも遅く、カウンターを何度も受けた」とキャプテンの田中も振り返ったように、前半の途中から終盤まで新潟に押されるシーンも目立ち、再三、背後を取られるなど苦しい展開だった。それでも交代で入ってきた選手も含め、最後まで諦めない姿勢を示して獲得した勝点1に、「残り10分、15分、自分たちが積み上げてきたことを最後まで貫いて、ゴールを奪えたことは素晴らしかった」とパパス監督も選手たちを称えた。ハットンのJ初ゴール、髙橋のJデビューなど今後につながる要素も収穫。次節はホームに戻り、名古屋グランパスを迎える。今度こそ開幕戦以来となる勝利を掴み、笑顔で試合を終えたい。
(文=小田尚史)
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