「そなえてバスケ杯」が今年も開幕 島田チェアマンに聞くB.LEAGUEの社会的責務

永塚和志

【(C)B.LEAGUE】

 B.LEAGUEでは日本郵便株式会社の支援のもと、バスケットボールを通じて防災意識向上を目指す「そなえてバスケ supported by 日本郵便」を今年度も開催する。

 2024年2月6日から3月24日に行われる「ディフェンス・アクション(防災バスケ)」と、2月27日から3月24日までの「ヤフー防災模試」を活用した「ファン防災アクション」の2つの防災アクションで得点を競うクラブ対抗戦「そなえてバスケ杯(※)」を実施。さらにはSNS上でクラブから防災に関する2択クイズをリレー形式でつなぐ、B.LEAGUEとB1・B2全クラブ一丸企画の「防災SNSリレー」が2月6日から3月16日にかけて開催され、クラブとともに各地域における防災啓蒙に取り組む。

「そなえてバスケ supported by 日本郵便」はB.LEAGUEの社会的責任活動「B.LEAGUE Hope」のプロジェクトの一環で、今回は昨年に続いて2回目の開催となる。

 (※)同杯は「防災において大事なこと」と「バスケの楽しさ」を融合した「ディフェンス・アクション(防災バスケ)」と、自然災害の際に役立つ知識の習得を目的とした「ヤフー防災模試(LINEヤフー株式会社がスマートフォン向けに提供するコンテンツ)」を使った「ファン防災アクション」 の両方で、各クラブが獲得したポイントの合計で優勝を争う。昨年は、B1は千葉ジェッツが、B2は福島ファイヤーボンズが優勝した。

 今年初頭には「令和6年能登半島地震」が発生し甚大な被害をもたらしたが、日本ではいつ、誰が地震や豪雨といった災害に遭ってもおかしくない。防災教育の側面を持つ「そなえてバスケ杯」、またその他、日本にある社会的課題に対してB.LEAGUEが「B.Hope」を通じてどう貢献しようとしているのか。同リーグの島田慎二チェアマンに話をうかがった。

島田慎二チェアマン 【(C)B.LEAGUE】

クラブ、選手が社会的責任活動に関わる意義

ーーB.LEAGUEはクラブ、選手たちとともに「B.Hope」プログラムを通じて様々な社会的責任活動に取り組んでいます。なぜこうしたコート外の活動にも熱心なのか、まずは教えていただけますか。

 B.LEAGUEが立ち上がったときからB.Hopeの活動に取り組んでいます。クラブが地域の皆さまにご支持をいただくばかりではなく、できることをお返しする、地域社会における「ギブ・アンド・テイク」です。現在は「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉がありますが、今では事業と社会的責任活動をうまくミックスさせたアクションをしているクラブも増えてきました。

 リーグの規模も大きくなってきて、多くのステークホルダーを抱えている組織となってきたため、こういった社会的責任活動をやっていくということは責務だと思っています。

ーーB.Hopeには多岐にわたる活動プログラムがありますが、どのようなものに注目していますか?

 社会的責任活動は世の中が大変な状況になった際により力を発揮するので、災害があったときに復興支援の中で選手たちが稼動したり、クラブや選手の呼びかけによって募金を集めて支援金として提供するといった活動には注目をしています。実際に、今回の「令和6年能登半島地震」発生後、多くのクラブではホームゲームで募金活動を実施していて、B.LEAGUEとしても「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA」やB.Hope公式ホームページでの寄付を実施させていただきました。

B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWAにて行われた募金活動の様子 【(C)B.LEAGUE】

ーークラブや選手たちが社会的責任活動に関わる度合いは年々、高まっているように感じられます。

 クラブにとっては地域からの信頼関係を得ることがサステナビリティにつながっていくので、ビジネスと社会的責任活動の両方を兼ねているところがあります。選手たちについては、クラブや日本バスケットボール選手会そして選手個人が様々な形で取り組んでいます。選手たちと話していると、そういったことに対する自覚は明らかに高まっていると思います。

ーープロの選手たちには認知度がありますから、それをこうした社会的責任活動にも活かしてほしい。

 おっしゃる通りですね。選手もさることながら、B.LEAGUEがもっとメジャーに、プレゼンスを上げていきたいと私が言うとき、事業規模を大きくしたいということは当然あるのですが、それだけではなく、いざというときにそのポジティブな力を社会で行使しようと思ったら、それなりのポジショニングを取っていかなければ結局、影響力は発揮できないですよね。

 選手としても、B.LEAGUEとしても、クラブとしても、レベルアップしていけばいくほど、災害等が起きたとき、世の中に対して声かけをするにしても募金を集めるにしても、社会的影響力があったほうが、ポジティブに影響力を行使できる。だからこそメジャーになる価値があると考えています。

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著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

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