三原舞依・単独インタビュー「まだまだトップで戦っていきたい」 世界観を表現できた、5回目の四大陸選手権

沢田聡子

四大陸選手権のショートは、昨季のプログラム『戦場のメリークリスマス』に戻した三原舞依 【Photo by Annice Lyn/Getty Images】

 三原舞依にとって四大陸選手権は、過去4回出場し、そのすべてで表彰台に立った相性のいい大会である。今季は右足首の故障に苦しみ、この四大陸選手権が3戦目となった。結果は7位で悔しさもにじませつつ、「思い切ってスピードを出していくことができた」と希望も見いだしている。大好きな練習に対する意欲をさらに高めている三原に、四大陸選手権、そして今季を振り返ってもらった。(リモート取材:2月3日)

早く元気になって、練習を積んでいけたら

――フリー後に来シーズンに向けた思いを口にしていましたが、また三原さんの演技を試合でみられることを喜んでいるファンの方も多いと思います

 今回の大会でもたくさんのファンの方々からの声援をすごく、すごく感じました。日本から来て下さったり中国で待って下さったりしていたファンの方々、それにカメラマンさんも本当に温かくて。「もっともっといい演技をしてお返ししたいな」という思いはすごく強いので、早く心も体も元気になって、また「練習が楽しい」と思えるぐらい、練習を積めるように。

 昔から本当に練習が好きで、「練習で満足いく演技ができるからこそ、試合で頑張れる」ということが私の日課だったので、それをもう一回取り戻せたらいいなと思っていて。まずはしっかり怪我を治しつつ…上海に来てからけっこう足が良くなってきていて「このまま完治に持っていけたら」と何よりも思っています。早く元気になって、練習を積んでいけたら。

――右足首の怪我は疲労骨折ということで、練習量を抑えなければいけない難しさがありますね

 四大陸選手権が終わるまでは、MRIを撮りたくなかったんです。(故障が分かった)初期よりは大分良くなってきているんじゃないかなと、自分でも思っています。9月にドクターさんから言われた時よりは感覚的にも良くなっているので、このまましっかり治し切って、練習が積めたらいいなと今は思っているところです。

――「大好きな練習」と言っていましたが、練習をし過ぎると怪我の悪化につながるという難しい状況の今季、練習に対する思いを再確認したのでしょうか

 本番で練習以上のものを出し切るためには、100%以上、200%ぐらいの練習ができているからこそ、試合で完璧な演技をして、納得いくところまでいけると思うので。特に昨シーズンは、毎日ショートもフリーもノーミスして家に帰る、というような日々を過ごしていたので、結果もついてきてくれました。今シーズンは練習がなかなか上手くできなくて、ジャンプもプログラムの完成度も思っているところまで上げられなかったので、その悔しさはすごくあります。

「怪我がひどくなる前に、ちゃんとしておけばよかったな」という後悔もあるのですが、これからのスケート人生や人生ですごく生きてくる部分が今シーズンたくさん見つかったので、くよくよせずに進んでいけたらなと思っています。

――今後に生きてくるのは、具体的にどういった部分でしょうか?

 今回も四大陸選手権に向けて辛い時期があった中で、ショートもフリーも諦めずに最後までNHK杯、全日本(選手権)の時以上に思い切ってスピードを出していくことができたことですね。あきらめないというところに関しては、今までスケートを続けてきて、弱かった自分がいろいろな試練を乗り越えていくたびに強くなって戻ってくることができたので、そのこともしっかりこれから生きてくるんじゃないかなと思っています。

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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