三遠のコティ・クラークが月間MVP初受賞…万能なプレーで開幕好発進のチームをけん引

得点、リバウンド、アシストの3部門でチーム最多を記録し、10月の月間MVPに輝いた 【(C)B.LEAGUE】

 Bリーグの月間MVPに相当する「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」は、選考委員長の佐々木クリス氏をはじめとした選考委員による合議で決定。2023-24レギュラーシーズン最初の10月度は三遠ネオフェニックスのコティ・クラーク選手(前・名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)が初受賞を果たした。

 現在31歳のクラークは、201センチ121キロのパワーフォワード。NBAでのプレー経験があり、2021-22シーズンにBリーグでのキャリアを始めた。三遠には今シーズンから在籍。10月はいずれもチームトップの1試合平均18.2得点9.3リバウンド4.3アシストを記録した。

 三遠は就任2シーズン目を迎える大野篤史ヘッドコーチの下、10月の9試合で8勝1敗。初年度以来のチャンピオンシップ進出に向け、スタートダッシュに成功した。その立役者となったクラークに個人、チームのことについて話を聞いた。

序盤の戦いで手応え「チームとしてはいい状態」

――月間MVP受賞はクラブにとっても、自身にとっても初めてのことです。まずは受賞おめでとうございます。

 ありがとうございます。コーチ陣や選手、クラブスタッフを含めて全員のおかげで取れた賞だと思っています。加えて神の助けもあったと思っています。チームメートがいない限り、この賞を受賞することはなかったと思うので、この功績はチームメートにも同じように与えられるべきだと思います。これからも頑張っていきたいです。

――10月は8勝1敗とスタートダッシュに成功しました。

 選手、スタッフの全員がやるべき努力をして、いいスタートを切れたと思っています。このスタートダッシュは本当にいいことだと思っています。クラブとしては昨シーズンの成績(2022-23シーズンの10月は6勝3敗)と似たようなスタートです。コーチングスタッフは2年目のシーズンですが、新たな選手が加わったため、今は基礎を築いている段階だと思っています。中断期間でしっかりと基礎を見直して、これからもっと積み上げられるようにチームとして取り組んでいこうとしています。チームとしてはいい状態だと思っていますよ。その状態からどれだけ積み上げられるのか。ここまでの戦いを踏まえて、どれだけのポテンシャルがあって、どれほどのチームになれるのかを見せられたと思っています。これからさらに積み上げていきたいです。

得点、リバウンドに加え、アシストでも存在感を発揮 【(C)B.LEAGUE】

――今シーズンの開幕戦は川崎ブレイブサンダースを相手に勝利しました。チャンピオンシップ常連のクラブから白星を挙げたことで勢いに乗れたのでは?

 自慢することではありませんが、どの試合でも勝利することを想定して臨んでいます。コーチ陣がしっかりと準備してくれたことから始まり、その後はメンタルも大きく関わってくると思っています。選手がそれを理解して、連戦でも勝ちきる気でいます。そこに準備するのが自分たちの仕事で、それをしっかりとやっていくこと。川崎に勝ったという結果より、自分たちもトップチームの1つとして見られるように取り組んでいます。川崎に勝ったことがどうこうより、自分たちの取り組みが正しいのかどうか。今はそこにフォーカスしています。

――今シーズンのチームはどのような部分を強みとしているのでしょうか?

 今シーズンのチームの強さを例えると「ビュッフェ」です。オフェンスでもディフェンスでも強みは多くあるので、今は何でもできる状態だと思っています。オフェンスでは多彩性があり、多くの選手が様々なプレーをできます。ディフェンスではサイズがあまりありませんが、小さいチームとしてどのようにカオスな状況を作って、相手がやりたいことをいかにやらせないか。それもできると思っています。必要なものはそろっている状態だと思っているので、それを強みとして生かして戦っています。

――クラーク選手は移籍加入1年目です。加入前後におけるチームの印象や、その変化はありましたか?

 加入にあたって、予想や期待はしませんでした。それはなぜかというと、高い希望を持って加入して、残念なことを見ると嫌になってしまいますから。逆もしかりですね。実際に加入すると、このチームには家族のような温かさがありました。プレー面ではみんなが努力してハードワークするチーム。その中で愛があり、みんなが仲良くやっていると思っています。その理由はコーチ陣をはじめ、しっかりとリーダーシップを取ってくる方がいるからです。これからもっといろいろなことができると思っています。

――三遠加入の経緯についても聞かせてください。

 自分にとってコーチは大事な存在だと思っています。大野篤史ヘッドコーチがいたのはとても大きな要因でした。実は日本に来る前から少し声を掛けてもらっていて、つながりがありました。その時からどのようなコーチなのか追いかけていました。今回の加入は大野HCと一緒になるタイミングが合ったからです。大野HCと僕の頭の中は一緒ですから、いい共通理解を持って、いい関係性でやれていると思っています。

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著者プロフィール

日本バスケを盛り上げよう! 2016年に生まれたプロバスケットボールリーグ、「Bリーグ」と時を同じくして立ち上がった、日本バスケの魅力を伝えるバスケットボール専門サイト。男女日本代表、NBA、高校バスケもアツくフォローしています。

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