データで分析する現役ドラフト連載2023

【現役ドラフト】注目投手12人を紹介 実績豊富な右腕やスピードボーラーに開花の兆しも

データスタジアム株式会社

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 セ・リーグの注目投手では、一軍での実績が光るピッチャーを紹介したい。

 巨人の高橋優貴は、独特の変化を見せるスクリューを武器に21年には2ケタ勝利を挙げた左腕。今季は先発と救援の両方で調整を続けるも、一軍では防御率5点台と思うようなピッチングができなかった。チームは山崎伊織や赤星優志らが台頭を見せ、井上温大や松井颯といった若手が急成長を遂げている。グリフィンとメンデスの助っ人勢も残留する見込みで、先発の枠は狭き門となっている。二軍では防御率2.34の好成績を残しており、環境の変化をきっかけにローテーション投手としての活路を見いだす可能性はあるだろう。

 20・21年と2年連続で50試合登板をクリアした実績を持つのが、広島の塹江敦哉だ。二軍では防御率こそ5点台ながら、奪三振や与四球、ゴロ割合といった指標では優れた数値を残している。一軍では8試合の登板にとどまり、今秋には腕を下げた投球フォームへの変更に着手した報道がなされたが、指標的には現状のままでも十分に活躍の可能性を秘めている。

 同じく広島では、中村祐太が二軍で好成績を残した。一軍での登板は5試合にとどまったが、二軍では28試合に登板して被打率.179、防御率1.08をマーク。昨季までは先発起用が中心だったが、今季はリリーフがメインとなり成績が大きく改善した。プロ4年目の2017年から昨季までは、一二軍あわせて毎年100イニング前後を投げており、大きな故障がないことも長所。今季で10年目を終えた右腕は先発・リリーフともに十分な経験があり、一定の活躍が見込める頼もしい存在だ。

 残る3名は25歳以下で伸びしろを秘めた投手たちだ。

 ヤクルトの長谷川宙輝は貴重なリリーフ左腕。20年には一軍で44試合に登板したが、手術の影響などもあり、その後の3年間は計5試合の登板にとどまっている。それでも二軍では今季38試合の登板で防御率2.93をマークするなど、その力を示した。キレのあるストレートを武器とする一方、近年は多彩な球種でバットの芯を外す投球術を身に着けつつあり、ゴロを打たせることを得意としている。

 DeNAの櫻井周斗も、打者の手元で沈むボールを武器にゴロを打たせる左腕だ。21年に一軍で30試合に登板した経験を持つが、そのオフに左肘の手術を受けた影響が響き、22年は一軍の登板はなし。シーズン終了後に育成契約を結んだ。迎えた今季は4月に支配下登録へ復帰を果たすも、登板機会は訪れずに一軍マウンドからは2年間遠ざかっている。今季は二軍で主にリリーフとして36試合に登板して、防御率3.38をマーク。直近3年間の公式戦では左打者と172打席の対戦で被本塁打がゼロと、左の強打者に打球を上げさせない強みを持っている。長谷川と櫻井は、フェニックス・リーグでも登板を重ねるなどコンディション面の不安はなく、来季はフル回転の活躍を期待したい存在だ。

 最後に紹介したいのはDeNAの京山将弥である。高卒2年目の18年から22年まで毎年一軍で5試合以上に先発起用されるなど、チームの期待を受け続けてきたが、今季は登板機会が訪れず。二軍では主にリリーフとして39試合の登板で防御率3.06を記録するも、制球面で不安をのぞかせる場面も少なくなかった。カットボールやスプリットを織り交ぜながらゴロを打たせて取る投球を持ち味としており、過去2年間は一軍で50イニング以上を投げぬくなど、先発投手としてのポテンシャルは十分。制球難に苦しんでいだ藤浪晋太郎(元阪神)が今季からメジャーに移籍して復調しつつあるように、新たな環境や指導者のもとでブレークを遂げる可能性も秘めているはずだ。

総括

 昨年の現役ドラフトで移籍した投手では、一軍での登板機会を減らしていた大竹(阪神)や戸根千明(広島)が新天地で活路を見いだした。また、昨年のオフから球界全体でトレードによる移籍が活発となっており、今オフもソフトバンクから高橋礼、泉圭輔の両投手が巨人に移るなど、シーズン終了後から投手のトレードが複数成立している。移籍活性化を目的として導入された現役ドラフトだが、この1年間で選手の流動性は確実に上がっており、二軍で活躍を見せた選手が他球団に求められるケースも増えている。今回取り上げた投手はいずれも二軍で光るものを示した投手たち。移籍の有無に関わらず、来季は一軍のマウンドで躍動する姿を期待したい。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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