連載:来春のセンバツ切符を掴むのは? 秋季大会2023「エリア別展望」

高校野球「秋の注目校5選」東海大会編 愛工大名電ら優勝候補を脅かす新興校とは?

尾関雄一朗
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愛知大会を制した愛工大名電が、優勝候補の筆頭だ。今夏の甲子園でも登板機会のあったエース大泉をはじめ、投手陣にはプロ注目の逸材を3枚も擁する 【尾関雄一朗】

 10月21日から岐阜県で開催される秋季・東海大会。静岡、愛知、岐阜、三重の各県から3校ずつの計12校が出場し、従来から1枠増となった3つのセンバツ出場枠をめぐってしのぎを削る。優勝候補は今夏の甲子園経験者を擁する愛工大名電や浜松開誠館などだが、東海地方のアマチュア野球に詳しいライターの尾関雄一朗氏は、創部4年目の三重の新興校にも注目する。

【秋季・東海大会出場校】※丸数字は秋季県大会の順位
・静岡:藤枝明誠➀、浜松開誠館②、日大三島③
・愛知:愛工大名電➀、豊川②、豊橋中央③
・岐阜:岐阜第一➀、県岐阜商②、中京③
・三重:宇治山田商➀、鈴鹿②、神村学園伊賀③

愛工大名電(愛知1位)

 秋の愛知県大会では、前評判どおりの強さを示して優勝。他のビッグネームが大会中盤までに姿を消す中、「私学4強」で唯一ベスト4に勝ち残り、決勝では豊川を7-1で退けて頂点に立った。投打ともにハイレベルで攻守のバランスもいいだけに、東海大会でも優勝候補の筆頭と呼べる存在だ。

 投手陣にはプロ注目の逸材を3枚も擁している。中心は左腕の大泉塁翔(2年)で、県大会では計37回を2失点に抑えた。130キロ台後半のストレートに力があり、スライダーなど変化球との緩急の使い分けが巧み。投球フォーム、投球内容ともにまとまりがある。右の伊東尚輝(2年)は最速149キロのストレートが走り、そして左の古谷龍斗(2年)も140キロ台の速球を投げ込む好素材だ。

 打線はクリーンナップが頼もしい。3番の石見颯真(2年)はシュアなバッティングが光り、広角に長打、短打を打ち分ける。4番の石島健(2年)、5番の宍戸琥一(2年)は豪快な一発が期待できる強打者だ。石見と宍戸は今夏の甲子園に出場、石島も石見とともに1年時の夏の甲子園を経験している。彼らの脇を固める打者が、機動力を生かしていかに多くのチャンスを作れるかがポイントだろう。

「この時期、攻撃はなかなか計算ができないので、ピッチャーがカギを握る。内野守備が不安だったが、県大会決勝もノーエラーと、徐々に自信を付けている」

 倉野光生監督も、センバツ出場へ好感触を口にしている。
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著者プロフィール

1984年生まれ、岐阜県出身。名古屋大を卒業後、新聞社記者を経て現在は東海地区の高校、大学、社会人野球をくまなく取材するスポーツライター。年間170試合ほどを球場で観戦・取材し、各種アマチュア野球雑誌や中日新聞ウェブサイトなどで記事を発表している。「隠し玉」的存在のドラフト候補の発掘も得意で、プロ球団スカウトとも交流が深い。

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