2年連続Bクラスの巨人 球団史に残る低迷脱出へ「希望の光」は?

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リリーフ陣は年間を通して安定せず

【データ提供:データスタジアム】

 一方のリリーフ陣は、リーグワーストの防御率3.83と安定感を欠いた。セットアッパーとしての活躍を期待された新外国人のロペスは開幕早々に二軍落ちとなり、5月にトレードで加入した鈴木康平も防御率6点台と期待に応えられず。また、昨季新人王に輝いた大勢はシーズン中盤にケガで戦列を離れ、一軍に復帰してからも本調子とはいえなかった。

終盤にリードを守れないリリーフ陣

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 そのようなブルペン事情もあり、6回終了時にリードしていた試合でリーグ最多タイとなる9敗を喫した。リードして終盤を迎えた試合を確実にものにすることは、安定した戦いをする上で非常に重要である。今季の巨人は最後まで勝ちパターンを構築することができず、地に足をつけた戦いができなかった。

若手の台頭が希望の光

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 しかし、来季以降に向けて、若手の活躍が目立ったシーズンでもあった。

 今季は入団3年目以内の若手野手が多くの試合に出場。秋広優人は4月22日のヤクルト戦でプロ初安打を放つと、シーズン中盤には3番に定着。終盤にはやや失速したものの、2ケタ本塁打をマークした。

 また、ルーキーの門脇誠は開幕から一軍に帯同し、守備で首脳陣の信頼を勝ち取ると、打撃面でも7月以降は3割以上の打率をマーク。シーズン終盤からはショートでスタメンに定着し、坂本が復帰してからもショートで起用された。ベテランの域に差し掛かってきた坂本を守備の負担が少ないサードにコンバートすることができたのは、高い守備力に加え、バッティングでもプロに順応した門脇をショートで使えるめどが立ったからだろう。向こう数年間、巨人の三遊間はサード・坂本、ショート・門脇になることを予感させる活躍を見せた。

3年連続Bクラスとなれば球団史上初

 10月4日の最終戦セレモニーで、今季限りで原辰徳監督が退任し、来季からは阿部慎之助一軍ヘッド兼バッテリーコーチが監督に就任することが発表された。3年連続のBクラスとなれば、球団史上初の不名誉な記録となる。巨人の上位進出には、リリーフ陣の整備と今季貴重な経験を積んだ若手の飛躍が不可欠だろう。球界の盟主の逆襲に注目したい。

※データは2023年10月5日終了時点

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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