2年連続Bクラスの巨人 球団史に残る低迷脱出へ「希望の光」は?

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2年連続Bクラスとなった巨人。第三次原政権が終わり、来季からは阿部慎之助新監督が就任する 【写真は共同】

 2005~06年以来、球団史上2度目となる2年連続Bクラスに終わった巨人。今回のコラムではデータを元に今季の巨人を振り返り、Bクラスに低迷した原因を探っていきたい。

本塁打数リーグトップと長打力は健在

【データ提供:データスタジアム】

 まず打線に注目すると、持ち前の重量打線は今季も健在だった。本塁打数はリーグ最多の164本を記録し、打率、OPSはいずれもリーグトップ。主砲・岡本和真が生え抜きの右打者では球団最多となる41本塁打を放ち、坂本勇人が22本塁打を記録し、復活を印象づけるなど、リーグ最多の7選手が2ケタ本塁打をマークした。

得点数は本塁打数が約半分の阪神に及ばず

【データ提供:データスタジアム】

 一方で得点数はリーグ3位の523点となっており、本塁打数は巨人の約半数ながら555得点を挙げた阪神に及ばなかった。要因としては、本塁打以外で得点が挙げられなかったことにある。リーグ最多の164本塁打で253点をたたき出したのに対し、本塁打以外での得点数は270点とリーグで最も少なく、本塁打以外で416得点を挙げた阪神とは対象的だった。

四球数に大きな差

【データ提供:データスタジアム】

 その要因のひとつが四球の数だ。チーム全体で選んだ四球数は365個で、494四球を選んだ阪神とは大きな差があり、結果として打率はリーグトップだったものの、出塁率はリーグ3位の.308(リーグトップの阪神は出塁率.322)。さらに、得点圏打率が.241とそれほど高くなかったことが、リーグ最多の本塁打数を記録しながらも、得点数が伸び悩んだ一因といえるだろう。

先発陣は奮闘

【データ提供:データスタジアム】

 先発陣に目を向けると、大黒柱に成長した戸郷翔征に加えて、3年目の山﨑伊織が規定投球回に到達し、2ケタ勝利を挙げるなど台頭。新外国人のグリフィン、メンデスも年間を通してローテーションは守れなかったものの、いずれも防御率2点台と及第点の活躍を見せた。しかし、長年チームの屋台骨を支えた菅野智之が開幕からケガで出遅れ、プロ最少となる14試合の登板に終わり、4勝8敗と黒星が先行したのは誤算だった。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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