夏休み企画!「スタジアム社会科見学ツアーin Todoroki」レポート
【©KAWASAKI FRONTALE】
進路選択のヒントに
芝生の上で湘南造園さんの話を聞く子どもたち 【© KAWASAKI FRONTALE】
そんな社会科見学、最大の特徴は一つの職種ではなく幅広い業種の講師に話を聞けたこと。吉田明宏代表取締役社長にはじまり、オフィシャルフォトグラファーの大堀優さん、運営スタッフ、スタジアムDJの林毅史さん、小森すみ恵さん。ピッチの芝生を管理している湘南造園さん、サポーター代表、ボランティアスタッフ、プロモーションスタッフ。そして1997年のクラブ発足当時からホペイロ(用具係)を務める伊藤浩之さんといった、試合の開催を支えている様々な方々が「仕事内容」「どんなやりがいを持っているのか」を丁寧に説明してくれるのだ。
前のめりに話を聞く子どもたち
等々力大型映像操作室にて行われたリハーサル見学の様子 【© KAWASAKI FRONTALE】
「本番ではないですが実際に選手紹介をやっている様子を見てもらって、キラキラとした子どもたちが笑顔で嬉しかったです。あのなかから将来、等々力の等々力大型映像操作室で仕事をする人がいたらなと思いますし、こういう仕事もあることに興味をもってくれたら嬉しいです」(小森さん)
また、さらに子どもたちが興奮したのがホペイロの伊藤さんの話を聞いたロッカールーム。試合前ということで選手がこれから着用するユニフォームやスパイクに興味津々。特に家長昭博選手がウォーミングアップ・前半・後半でスパイクを履き替える裏話に目を輝かせていた。そんな子どもたちを間近で見ていた磯部さんは言う。
「もともとフロンターレが好きな子どもたちが多かったのもあるかもしれませんが、一人ひとりの講師の言葉をノートに書き留めてくれていました。フロンターレに関わる人は、どう仕事を選んだのか。これから好きなことを追いかけるのか、好きなことを諦めないことが大事なのか。色んな人の体験談からメッセージを伝えることができたのではないかなと思います」
今回は、仕事という観点だけではなく試合日に欠かすことができないボランティアスタッフやサポーター代表に話を聞けたのも大きな学びになった。このようにフロンターレの試合は色んな人がいるからこそ成り立っていることや、いつも等々力陸上競技場が最高の雰囲気に包まれているのはサポーターがいるおかげだと知ることができたのもホームゲームに開催できたことで得られる利点だった。
濃密な2日間
講師の言葉をノートに書き留める。その表情は真剣そのもの 【© KAWASAKI FRONTALE】
「子どもたちが輝いている大人たちとの出会いを通して、こういった体験で学んだことが将来の力になると思っています。キャリア教育も色んな切り口があるなかでサッカーの試合という角度は面白いなと感じましたし、なかでも仕事だけではなくてボランティアやサポーターの方にもお話を聞ける機会は色んな人との関わりがあるなかでサッカーを楽しめているんだということを知ることができる機会になりました。これからもフロンターレさんとお互いに、良いところと引き出し合いながら子どもたちのためになる取り組みをやっていくために、引き続き連携していきたいと思っています」(川崎市教育委員会)
「担当の磯部さんの思いがつまったイベントになったのではないかなと思います。いまは色々な体験をすることや生で経験することが大切と言われているなかで、その人の言葉でダイレクトに聞くと耳にフレーズが残ります。自分に何かプラスになるようなキャリア教育があるといいなと思っていたので、今日は私も感動しながら参加していました。また、子どもたちはもちろん、講師になられたスタッフの方も自分のこれまでのキャリアを振り返るいい機会になったのではないかなと。双方にポジティブな自己肯定感が高まるいい時間になったと思います」(下作延小学校教員)
充実した2日間を送ることができた「スタジアム社会科見学ツアーin Tdoroki」。子どもたちの将来にとっての財産になったことだろう。そして参加してくれた子どもも、嬉しいことを話してくれた。
「とても楽しかったです。ロッカールームにも入れて、選手はこんな感じなんだとか、多くのスタッフの人たちはこんなことをしているんだと、いつも気になっていたことを見ることができてよかったです。僕もいつか、将来はフロンターレで働きたいと思っているので、いつかフロンターレに関わることができるように頑張りたいです」
今回は小学4年生~6年生までが対象だったが、より進路選択を考えるようになる中高生に年代の幅を広げる計画もあるそう。これからもフロンターレは、川崎市に豊かな学びの場を与えられるように活動していく。
(文:高澤真輝)
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