世界ゴルフ選手権(WGC)の終焉と、賞金を増やすだけの取り組みの危険性
1999年に開催された「WGC NECインビテーショナル」。優勝したタイガー・ウッズ(中央)に向かって右隣にいるのは初代日本ゴルフツアー機構会長の島田幸作氏。さらにその右側にいるのは当時の米国PGAツアーのコミッショナーだったティム・フィンチェム氏。WGCは世界各国のツアーが運営に関わった 【Photo by PGA TOUR Photo Services/PGA】
WGCは世界の6大ツアーで構成された団体が運営
1999年に設立された当時、筆者はまだ新米のゴルフ編集者だったが、世界のゴルフツアーが連携してメジャーに匹敵するトーナメントを創設するという壮大な構想に心躍らせていた。初年度の1999年には、開催されたWGCの3試合のうち2試合で、すでにスーパースターとしての地位を築いていたタイガー・ウッズが優勝。期待通りの盛り上がりを見せた。
1999年にスペインで開催された「WGC アメリカン・エキスプレス選手権」で優勝を果たしたタイガー・ウッズ 【Photo by Stan Badz/PGA TOUR Archive via Getty Images】
米国PGAツアーよりも高額賞金で予選落ちなし
WGCは毎年3〜4試合を開催。米国内だけでなくオーストラリア、スペイン、中国、メキシコなど、世界を舞台にトップ選手が集まった。WGCは「準メジャー」としての地位をしっかりと築いていた。
2020年からWGCの試合が徐々に減少
メキシコで開催されていた「WGCメキシコチャンピオンシップ」は2020年で幕を閉じた。2021年には「WGCワークデイチャンピオンシップ」としてフロリダで開催されたが、2022年以降は同時期のWGCトーナメントの開催はなくなった。そして、2023年には「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」のみが開催され、2024年のスケジュールではWGCの名は完全に消えてしまった。