高校野球「プレーヤーランキング・23年夏」

高校野球「プレーヤーランキング・23年夏」大阪編 世代No.1の大阪桐蔭・前田を筆頭に好投手が目白押し

沢井史

今春のセンバツ後は調整のため実戦から離れていた大阪桐蔭の前田だが、すでに練習試合で投げ始めている。肉体改造を施した左腕が、さらにひと回り大きくなって帰ってくる 【写真は共同】

 夏の地方大会で必見のプレーヤーは誰か? 用意したのは、チームではなく選手にスポットを当てた企画、「プレーヤーランキング」だ。今秋のドラフトで上位指名が確実視される大阪桐蔭の前田悠伍を筆頭に、大阪大会では優勝候補に名前が挙がる強豪校のエースたちが、ランキングの上位を占めた。

10位:池田一輝(3年/大商大堺/内野手)

 遠投110メートルの強肩を生かした守備力に定評がある。遊撃手として難しい当たりを難なくさばき、捕ってからのスローイングも正確だ。また、ミートの巧さと50メートルを6秒フラットで駆ける快足も特筆もの。野球を始めた頃から投手と遊撃手を兼任し、高校入学後は1年夏から背番号6を背負う。今春の府大会準々決勝では9回二死三塁からマウンドに上がって、冷静に最後の打者を打ち取るなど、野球センスの高さを窺わせた。チームとして悲願の甲子園初出場へ、文字通り攻守のカギを握る存在だ。

9位:西稜太(3年/履正社/外野手)

 今年に入って9本のホームランを放ち(7月7日時点)、高校通算は24本。50メートル6秒1の俊足も持ち合わせ、前チームから打線の火付け役を担った。ただ、初戦で敗れたセンバツでは「チャンスであと1本が打てなかった」と悔しい想いを味わい、4回戦敗退の春季府大会でも思うような打撃ができなかった。だからこそ、最後の夏は1つひとつのプレーにこだわる。春の府大会以降はグリップの位置を低くしたことで、安打を量産できるようにもなった。「納得のいく1本を夏は必ず打ちたい」。

8位:山田大成(3年/大阪桐蔭/外野手)

 昨春に公式戦で初めてベンチ入りを果たし、秋からは主に1番か2番を任される。50メートル5秒8の俊足を武器に、際どい内野へのゴロも安打にしてチャンスを拡大。昨秋の公式戦ではチームトップの打率,439をマークした。コツコツと繋ぎ、相手を揺さぶる姿勢は、今春に多くのケガ人が出た野手陣の中で、とくに目を引いた。U18日本代表候補合宿に参加するなど経験値も高い野手のリーダー格は、「自分が引っ張って、今年の夏も甲子園に行く」と力強く話す。

7位:柴田俊太(3年/関西創価/投手兼外野手)

 昨夏の府大会準決勝では、敗れたとはいえ履正社打線を相手に3失点完投(2-3)と力のあるところを見せた。ストレートは最速130キロだが、左打者には縦のスライダー、右打者にはチェンジアップを小気味良く投げ込むなど、球質で勝負できる左腕だ。打っても今春は主に4番に座り、思い切りの良いスイングで何度も鋭い当たりを飛ばした。「球威をつけながら、対バッターの考え方をもっと高めたい」と言うように、これからは投球術に磨きをかけたいようだが、“二刀流”としての進化にも期待したい。

6位:石田隆斗(3年/関大北陽/内野手)

 前チームから遊撃手のレギュラーを務め、好守を披露し続けてきた“守備のスペシャリスト”。フットワークの軽さ、球際の強さはもちろん、瞬時の打球判断にも優れ、まさに堅守でチームを盛り立てる存在だ。最近は体重が増えて身体も強くなった印象で、バッティングでは長打も出るようになった。不動の3番打者は、間違いなく攻守のキーマン。主将として仲間を引っ張りながら、チームの合言葉である「打倒・大阪桐蔭」を胸に、激戦区・大阪の頂点へと駆け上がりたい。

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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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