川崎F注目の若手、山田新インタビュー「スピードとパワーに自信がある」

林遼平

第一回は次世代のエースとして嘱望される山田新に話を伺った 【(C)J.LEAGUE】

 川崎フロンターレで今後の飛躍が期待される4人の若手たちにインタビュー。第一回は次世代のエースとして嘱望される山田新。プロの世界で感じている難しさや今年の目標などについて話を伺った。(取材日:3月15日)

個の部分としては自分の力を出せている

ーー大学の舞台からプロの舞台に上がってきましたが、プロの世界で感じている難しさや、逆に手応えがあると感じているところがあれば教えてください。

 自分の感覚としては、最初は全然通用しないというイメージでした。それを考えると、思ったよりはやれているかなと。桐蔭(横浜大学)のスローガンではないですけど、目標として個を育てるというところがあって、本当に桐蔭で自分の特徴を育ててもらって大学からプロに入りました。フロンターレは特殊といいますか、つなぐサッカーをするので、そこは大学との違いとしてありますし、もっと合わせられる部分だと思っていますけど、個の部分としては自分の力を出せていると思います。

ーー今季、すでに数試合出場していますが、ここまでの自分自身の手応えはいかがですか?

 公式戦で1点を取ることができたので、そこは良かったと思います。ただ、チームもうまくいっていない状況ですし、個人として特に試合で自分の特徴をそんなに出せていないと思っています。チームに対しての自分の特徴の浸透度のところでは手応えがありますけど、練習やキャンプでは自分の特徴を多少は出せていた中で、リーグ戦やルヴァンカップを含めて、公式戦の中で自分を出せているかというと、まだ足りないのかなと思ってます。

ーーどんなところが一番の長所だと感じていますか?
 
 スピードとパワーに自信があるので、そこの特徴を生かして最後の動き出すところは自分の長所かなと思っています。ただ、まだもっと出せるかなとは自分で思っています。

フロンターレに「絶対に戻ってやる」

山田新「ユースを退団するときに『絶対に戻ってやる』と思って大学に進んだので...」 【(C)J.LEAGUE】

ーーフロンターレは新加入の選手がなかなかフィットするまでに時間がかかる傾向にあります。そこの難しさは感じていますか?

 もちろん難しさはありますけど、アカデミーでやっていましたし、その時から感じていた崩しのイメージやどういったボールの動かし方をするかは一貫している部分があるので、そこはアカデミーを経由しないで来る選手よりはイメージを持ちながらやれていると思います。そこは難しさというより、楽しみながらやれています。

ーーまさに山田選手はアカデミーを経験して大学、そしてフロンターレに戻ってくる形になりました。大学に進学した際には「いつかフロンターレに」という思いはあったのでしょうか?

 ユースを退団するときに「絶対に戻ってやる」と思って大学に進んだので、そこはブレずに4年間やれたかなと思います。大学に入ってから特にフロンターレが強くなったので、そこを目指していれば、必ずチャンスが来ると思っていました。まずはそこを目指して行くことで、いろいろなクラブからオファーをいただけるようになりましたし、そこを目指したからこそ選択肢は増えたかなと思います。

ーーそういう多くの選択肢の中でも、やはり最後はフロンターレだったんですね。

 やはりアカデミー時代に所属していましたし、クラブに対する愛情やサポーターに対する思いはもちろんあります。等々力(陸上競技場)への憧れも持っていたので、ここからはフロンターレの優勝や勝利に貢献したいですし、そこで得点を取れるようになりたいと思っています。

ーーフロンターレと言えば、練習の強度も高く、レベルの高い選手も多くいます。日々のトレーニングから吸収できるものは多いですか?

 鬼さん(鬼木達監督)の練習の強度はすごく高くて、やはり他のチームと比べても上手い選手が本当に多いなと思います。自分はそんなに上手い選手ではないですけど、そこのところで特に1年目の選手は劣等感を感じる部分があると思うのですが、個人的にはそれを感じてプレーに影響が出てしまうと、やはり自分の特徴が出てこなくなると思っています。もちろん練習の中で上手くなろうという思いでやっていますけど、技術的な差が見えたとしても、あまり気にしすぎないようにやっています。鬼さんにはミスを恐れてやることが一番ダメだと怒られます。メンタル的なところでもネガティブにならないようにというのは意識して日々練習しています。

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著者プロフィール

1987年生まれ、埼玉県出身。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任し、『Number Web』などにも寄稿している。

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