カーリング女子世界選手権 日本代表のロコ・ソラーレが唯一、勝っていない意外なあの国は?
左から藤澤五月、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花、石崎琴美 【(C)JCA IDE】
日本代表として出場するのは先月の日本選手権を制したロコ・ソラーレだ。2016年大会で彼女らが獲得した銀メダルが日本カーリング史上最高成績だが、昨年の北京五輪準優勝、今季のグランドスラム制覇などの実績から考えれば、それを上回る可能性は小さくない。対戦順に展望(日時はすべて現地時間)をしていきたい。
オフアイスの過ごし方も分岐点に
2日目はスコットランドとの1試合のみだ。北京五輪で(イギリス代表として)金メダルを獲得したスキップのイブ・ミュアヘッドが現役を退き、26歳のレベッカ・モリソンが代表チームのスキップを継いだ。昨季、今季共にロコ・ソラーレとの対戦はないが、相手の出方を探りながらもポジションごとのショット率でしっかりと上回りたい。
3日目もダブルヘッダーだ。まずはアメリカ代表との1試合だが、朝9時開始はこの大会で初となる。前夜のスコットランド戦を終えてから、食事、ミーティング、ナイトプラクティス、そして睡眠から起床とオフアイスの過ごし方も重要になってくる。
「タイトなスケジュールの中、フィジカル的な部分も試されるのが世界選手権。オンとオフをしっかり切り替えられるか。休むべきとことろで休めるかが大会全体のキーになる」
そう藤澤は語る。ここまでの4試合で4つのシートをすべて使い、すべての時間帯のプレーを経験することになるが、情報を集めながら勝ち星を積むことができれば、大会を通した最初の手応えを得る頃だろうか。
夜はノルウェー戦だ。フォースのクリスティン・スカスリエンは北京五輪ミックスダブルスで銀メダルに輝いた、投げの技術に長けた選手だ。藤澤と投げ合いが大きな見どころになってくるだろう。
4日目にも3度目のダブルヘッダーが巡ってくる。まず14時の試合でトルコと戦う。北京五輪の最終予選で痛い1敗を喫したことを多くのファンが鮮明に覚えているだろう。あの試合で無双状態だったスキップのディルサット・ユルディスもダブルス経験者であり、ドローの精度は高い。ロコ・ソラーレとの対戦成績は1戦1勝で、おそらく今回の出場チームで彼女らが唯一、勝ってないチームだ。
藤澤は出発前に「いちばん楽しみにしている試合」と笑顔で語っていたが、しっかりトルコにリベンジを果たした後は、開催国で優勝候補のスウェーデンとの大一番を迎える。2018年の平昌五輪のチャンピオンチームで北京五輪も3位、直近5シーズンで常に世界の5指に入り続けてきた強豪だ。スキップのアンナ・ハッセルボリと、セカンドのアグネス・クノッヘンハウアーが出産を控え、サードのサラ・マクマナス選手が産後復帰して間もないという今季だが、両チームともに積極的にスチールを狙うスタイルなのでセンターライン上の精緻な攻防を楽しむことができそうだ。