カーリング女子世界選手権 日本代表のロコ・ソラーレが唯一、勝っていない意外なあの国は?

竹田聡一郎

世界ランキング1位にも今季は勝ち越している

強豪カナダ代表との一戦が大一番。北京五輪では接戦の末に8対5で下した 【写真:ロイター/アフロ】

 大会も後半に入り、5日目はイタリアと対戦する。23歳のステファニア・コンスタンティーニは北京五輪のミックスダブルスで金メダルを獲得するなど、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ大会で象徴的な存在に化けそうな選手だ。世界ランキングも右肩上がりでグランドスラム常連になりつつある。

 6日目の韓国も若いチームだ。大会最年少スキップで唯一の2000年代の生まれであるハ・スンヨンは今回が初の世界選手権で、両国ともに順当に戦えば白星が計算できるチームではあるが、若いチームが大会序盤から勝ち星を重ね勢いに乗ってそのままクオリファイ(プレーオフ出場)、というのも世界選手権ではよく起こる。それまでの戦いぶりを観察しつつ戦い方を分析する指揮官・JDリンドコーチのアドバイスが冴えるのはこのあたりからだろう。

 そして天王山になりそうなカナダ代表との大一番を23日14時に迎える。

 この世界ランキング1位の今季のカナダ代表ケリー・エイナーソンに、ロコ・ソラーレは近年まで相性が悪かった。平昌五輪前後から出場しはじめたグランドスラムでも「悔しい敗戦はだいたいエイナーソン。本当に強い」と吉田知那美がコメントしていたこともあるが、グランドスラムとパンコンチネンタル杯で6度対戦しているが、4勝2敗と勝ち越している。苦手意識は払拭(ふっしょく)したと言っていい。ここでも勝って最終日を前にクオリファイを決めたいところだ。

 最終日の7日目もドイツ、ニュージーランドとのダブルヘッダーだ。7日間で12試合を戦うタイトでタフなスケジュールだが、理想は9勝2敗で1位か2位でのクオリファイだ。1位と2位は準々決勝をスキップできるメリットがある。

 しかし、藤澤は「私たちはいっつもギリギリ(のクオリファイ)だから」と笑っていたことがあった。通過順位よりも、アイスの変化やそれに伴う戦い方を意識して大会を丁寧に消化してゆくことの優先順位が高いのだろう。

 史上初の世界選手権優勝へ。まずは8日目以降に進出したい。期待は十分に、できる。

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著者プロフィール

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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