ピッチングニンジャがWBCの注目投手を分析 「お気に入り」の大谷翔平にかける願いとは?

丹羽政善

ダルビッシュが果たす役割は?

ダルビッシュ有(写真)については「マウンド上のアーチスト」と称賛するフリードマンさん 【Photo by Masterpress - Samurai Japan/SAMURAI JAPAN via Getty Images】

「ダルビッシュはメジャーでも屈指の投手。投球術が多彩で三振も取れるし、タイミングも外せる。彼こそマウンド上のアーチストだ」

 ただ今回、ダルビッシュが果たす別の役割にもフリードマンさんは注目している。

「彼のような世界最高の投手が周りにいることで若い選手は多くを学ぶことができる。大舞台への準備の仕方とか、若い選手が陥りがちなメンタルの問題でも助言できる。そういう意味でも彼がいることは意味を持つ」

 そうした側面は宮崎合宿でもうかがえた。彼ほどの実績があると、若手は話しかけにくいかもしれないが、フリードマンさんは「心配いらない」と苦笑する。

「彼はすべてにオープンで、ユーモアのセンスもある。だから若い選手も接しやすいはず」

 そしてダルビッシュ自身、そうした役割を理解していると推測する。戦力としての役割。投手陣をまとめる役割。その存在感はコーチ以上で、「そうした存在が過小評価されるべきではない」とフリードマンさんは締めくくった。


 最後に大谷について語ってもらったが、話しているうちにフリードマンさんが熱くなるのがわかった。

「いろんな先発投手について話してきたがやはり私のお気に入り。誰よりもえげつない球を投げるのが翔平だ」

 すでにリーグでも屈指の投手だが、今回、ダルビッシュとの共闘で、「さらに成長するのでは」と期待する。「翔平もまたダルビッシュから学ぶことが出来るから。翔平の競争心とダルビッシュの芸術性。その融合が楽しみだ」。

 その大谷には、WBCの優勝にとどまらず、エンゼルスでの優勝を願う。「個人的に、彼にはエンゼルスでプレーオフに出て欲しい。彼とトラウトがチームを背負って戦う姿を見てみたいんだ」。

 終盤は当初の話題から脱線し、フリードマンさんがひたすら大谷について熱く語っている。その様子は、ぜひ動画を確認して欲しい。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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