連載:元WBC戦士は語る―侍ジャパン優勝への提言―

福留孝介が考える侍ジャパン最強布陣は? 村上宗隆の“後”を打つ打者が相当なキーになる

小西亮(Full-Count)

精神的な柱が必要「ダルにみんなが一目置く」

福留氏は、短期決戦にはかつてのイチローのような絶対的な存在が必要だと訴える 【写真は共同】

 チームは2月17日から宮崎でキャンプを行い、強化試合を経て3月9日の初戦に向かっていく。ダルビッシュはパドレス球団の理解を得て初日から合流することが可能となったが、大谷ら他のメジャー組は開幕直前になって合流する可能性も高い。急造チームになることは避けられず、売りである若さは時に諸刃の剣にもなる。少しでも早くナインが団結するためには、精神的な柱は欠かせない。

 福留氏が日の丸を背負った2大会では、イチローという絶対的な存在がいた。今回、投手陣での適任は最年長右腕。「ダルビッシュ選手にはみんなが一目置く。そういう選手は短期決戦には絶対いた方がいい。困った時にみんなと一緒にアタフタしない。全体を俯瞰して見ることができる選手がいることは大事」と実感を込める。野手陣の方も心配はしていない。「まず鈴木誠也選手がいる。中村悠平選手(ヤクルト)がいてくれるのは大きいんじゃないですかね。あとは山川選手、山田選手あたりがまとめていってくれればいいですね」と望む。

 もちろん勝ってほしいのは言うまでもない。ただ、未来ある選手ばかりだからこそ「行けるところまで行って、いろいろ経験してほしい。これから先、自分のために何かつながることもある」とエールを送る。まずはチームのため、自分自身のため、それが野球界のためになる。「昨年あれだけサッカーが盛り上がった中で、次は野球が盛り上がる番。子どもたちに夢を与えられるのが、このメンバーだから」。ユニホームを脱いだ45歳は、30人の侍の背中をそっと押した。


(企画構成:スリーライト)

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著者プロフィール

1984年、福岡県出身。法大卒業後、中日新聞・中日スポーツでは、主に中日ドラゴンズやアマチュア野球などを担当。その後、LINE NEWSで編集者を務め、独自記事も制作。現在はFull-Count編集部に所属。同メディアはMLBやNPBから侍ジャパン、アマ野球、少年野球、女子野球まで幅広く野球の魅力を伝える野球専門のニュース&コラムサイト

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