横浜BCの河村勇輝が12月度の月間MVP受賞…圧巻のパフォーマンスを披露、昨季に続いて2度目の栄冠

大島和人

得点とアシストの両面で好成績を残した河村勇輝選手が12月のMVPに 【横浜ビー・コルセアーズ】

 Bリーグの月間MVPに相当する「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」は、2022-23シーズンから5人の選考委員による合議で選出されている。今シーズン3人目、2022年12月の月間MVPは横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝選手に決まった。

 河村は2001年5月2日生まれの21歳。福岡第一高校3年次は2019年12月のウインターカップ優勝に大きく貢献し、東海大学へ入学する直前には特別指定選手として三遠ネオフェニックスで鮮烈なBリーグデビューを飾った。東海大で2年間プレーしたあとの2022年春に「中退プロ入り」を選択し、この2022-23シーズンからは横浜BCでのプレーに専念している。トム・ホーバスヘッドコーチ率いる日本代表にも選出されており、沖縄で開催される今夏のワールドカップにおける活躍も楽しみだ。

 彼が所属する横浜BCも今季はここまで過去最高の戦績を残し、特に12月は9勝3敗と好調だった。そして同月の河村は1試合平均19.7得点、9.0アシストという抜群のスタッツを残し、“クラッチタイム”の勝負強さも披露。チームの戦績、個人の数字、内容とすべてがそろったプレーぶりで、月間MVPに選出されている。

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高い得点力で宇都宮戦初勝利の立役者に

――2022年12月の「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」受賞、おめでとうございます。昨シーズンの1月も受賞されていますが、今回は「プロ」として初めての受賞です。さらに昨シーズンまではファン投票でしたが、今回は佐々木クリスさんのような識者も含めた選考委員会が、スタッツや貢献度をシビアに議論した結果による選出です。ご感想はいかがですか?

 このような素晴らしい賞をいただけて、本当に光栄です。ファン投票では実力だけでなく、人気の部分もプラスされると思いますけど、見るべき方が見て、議論して選考されたことはすごくうれしいです。

――12月の横浜ビー・コルセアーズは9勝3敗と好調でしたが、振り返って、「チームのここが良かった」という部分はありますか?

 宇都宮(ブレックス)戦が12月の最初にあって、そこを2連勝したことでチームとして自信がつきました。強豪相手でも勝つことができるという自信、勢いがついて、このような結果になったと思います。

――河村選手も宇都宮戦は3日が32得点、4日は34得点と連日キャリアハイを更新する活躍でした。あの2試合振り返っていただくと、どうですか?

 Bリーグになってから、宇都宮さんにはビーコルとして1回も勝てていませんでした。今シーズンはチャンピオンシップ出場という大きな目標を掲げながら、ビーコルとしての歴史的な結果もしっかりと出していこうということで、試合前から「絶対に宇都宮さんに勝とう」、「歴史に名を刻もう」と意気込んで臨んだ試合だったので、本当に勝ててうれしいです。

――4日は試合終了残り0.5秒で劇的な3ポイントシュートを決めています。鵤誠司選手がマッチアップしていて、ヘルプに出やすい位置にジョシュ・スコット選手もいるなど、タフなシチュエーションでした。

 とにかく3ポイントのタッチがすごく良かったので、3ポイントを打ちたい気持ちはありました。2点差だから2点でも良かったとは思いますけど、宇都宮さんの時間が第4クォーターも続いていました。僕としては「ここで試合を終わらせないといけない」という気持ちと、「延長にいけばいくほどタフな結果になってくる」のではないかという読みを持っていました。

 もちろん、ほかの選手が空いていたらパスを出そうとは思っていたんですけど、時間もそうでしたし、自分が打つのがベストだなという判断でした。タフではありましたが、決めきることができました。

試合終了残り0.5秒に決勝点を沈め、チームメートと喜び合う 【(C)B.LEAGUE】

――結果的に3ポイントを10本中6本成功の60パーセントという高確率で決めました。宇都宮のホームでその結果を出したこともすごいと思います。河村選手はご自分でどうお感じですか?

 ほかのチームとは違った「ホーム感」の強いゲームでした。すごく威圧的というか、アウェイ感が強かったです。でもそれ以上に、チャンピオンシップに向けて2試合連続で宇都宮さんに勝つことで、上昇気流に乗れると感じていました。チーム全体としても1試合目が終わっても全く満足せず、2試合目に向かっていっていました。僕自身もそのマインドだったので、それがあの結果につながったと思います。

――個人のスタッツですけれども、12月は1試合平均19.7得点、9.0アシストです。これについては、どのように受け止めてらっしゃいますか?

 こういったスタッツを出せているのは、青木(勇人)ヘッドコーチをはじめ、コーチングスタッフの皆さんが、僕主体でチームを作ってくれているからです。チームメートの理解や協力があっての、僕主体のバスケットです。そこなくしては達成できないスタッツだと思います。

――河村選手は特別指定を3シーズン経験して、今シーズンの開幕からプロとしてプレーしていますが、2020-21シーズンは一時的に3ポイントの成功率が落ちて苦労していました。それが徐々に戻ってきている技術的な理由はあるのですか?

 いろいろな方にシュートのところでのアドバイスもいただきました。あとは身体作りにずっと徹していた分、(身体を)コントロールすることの難しさもあったんですけど、やっとしっかりと馴染んできました。まだまだ波はありますけど、うまくいっている状況だと思っています。

――東海大でウェイトトレーニングはしっかりと取り組んでいたと思いますけれど、筋肉がついて全体のバランスが変わるとか、微妙なところから感覚の違いが出ていたということですか?

 そうですね、やはり感覚は変わりましたね。上半身が大きくなればなるにつれて、ボールを飛ばす力も大きくなります、それをコントロールするための、手先の器用な感覚も必要です。あと大学、プロとなって、高校とは違ったゲームをとおしてのコンタクトの強度が上がっていく中で、そういった体力をしっかりとつけながら、フィジカルコンタクトに耐えながらシュートを打たないといけない難しさもあります。フィジカルコンタクト、ゲームをとおしての体力といったところも、自分の中である程度うまく調整できるようになって、シュートタッチも良くなってきていると思っています。

――2022年3月末までは東海大の学生でした。今はバスケに使える時間が増えたと思います。日常生活と練習で、時間の使い方はどう変わりましたか?

 大学の頃は授業やテストがあって、バスケットに完全に専念することはできなかったです。今はプロとして時間がいっぱいある時もあれば、逆にすごく忙しい時もあります。オフの時はしっかりと休んで、切り替えるようにしています。

――こういう取材もありますし、ウインターカップはアンバサダーをされていましたけど、オフコートの仕事が増えているということですね。

 はい、増えましたね。本当にありがたいことだと思います。こうやって注目されることもそう長くはないので、今の自分ができる最大限をやって、バスケットの知名度も上げていければいいなと思っています。

――チーム練習、個人のシューティング、ウエイトとあると思いますが、練習時間、内容は大まかにどうなっていますか?

 基本、毎日バスケットはやっていますね。オフの日もアクティブレストでちょっとシューティングに行ったりはしています。時間は(チームの)ウエイトの有無や練習メニューで本当に変わるので、平均はどれくらいだろう……。ウエイトを入れて4時間半、5時間くらいは、多い時ならやっている感じですね。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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