連載:WBCプール展望&ライバル国分析

【WBCプールC展望】前回王者の“最強”アメリカも油断大敵 メキシコ、コロンビアが上位進出を狙う

データスタジアム株式会社

カナダ

戦績
2006年:1次ラウンド敗退
2009年:1次ラウンド敗退
2013年:1次ラウンド敗退
2017年:1次ラウンド敗退

【画像提供:データスタジアム株式会社】

 メジャー球団のトロント・ブルージェイズが国内に本拠地を構えるカナダ。アメリカ国外でメジャーの球団が存在する唯一の国である。過去4大会はいずれも1次ラウンドで敗退。複数勝利を記録したのも第1回大会のみで、近年は大舞台で苦戦が続いている。前回大会では1次ラウンドでの3試合で計3得点止まり。長打の数はチームで合計2本にとどまっており、打線の迫力不足が課題だった。

 その打線の中心として期待されるのが、F.フリーマン(ドジャース)とT.オニール(カージナルス)の両名だ。フリーマンはナ・リーグ最多の199安打を放つ活躍でチームの地区優勝に貢献しており、前回大会でも代表の4番に座っている。オニールは2021年にメジャーで34本塁打を記録したスラッガーだ。今大会では攻守でかみ合った試合展開を披露し、準々決勝進出を目指す。

イギリス

戦績
2006年:不参加
2009年:不参加
2013年:予選敗退
2017年:予選敗退

【画像提供:データスタジアム株式会社】

 今大会が初出場となるイギリス。2019年にはロンドンでメジャー史上初の公式戦としてレッドソックス対ヤンキースの試合が開催され、初戦で田中将大(現楽天)が先発したことを記憶している方も多いだろう。ロンドンでは今年の6月にもカブス対カージナルス戦の開催が予定されるなど、野球への注目度が近年上がりつつある。

 昨年9月にドイツのレーゲンスブルクで開催された予選A組では、6カ国による争いを制して出場権を勝ち取った。勝てば本大会進出という状況で迎えたスペイン戦では、初回に4点を先制される苦しい展開となるも、そこから粘りを見せて試合は延長戦へ。続く10回に決勝点を奪い取り、10-9という熱戦をものにして出場の切符をつかんだ。予選のメンバーは主に米球界に所属するマイナーリーガーや独立リーグの選手で構成されていた。本大会からはメジャーリーガーの合流も予想され、悲願の大会初勝利を目指す。

プール展望

 アリゾナにあるチェイス・フィールドで行われるプールC。大本命はなんといっても前回大会の王者であるアメリカだろう。ただ、その前回大会でも1次ラウンドでは苦戦しており、決して油断はできない状況である。そのアメリカに続く有力候補としては、メキシコとコロンビアの2国が挙げられる。メキシコは今大会で有力なメジャーリーガーを擁しており、3大会ぶりとなる1次ラウンド突破を狙う。コロンビアは前回大会でアメリカとドミニカ共和国を相手に善戦を見せ、あと一歩のところまで追い込んだ。今大会でもダークホース的な存在となる可能性を秘める。両国は本プールの初戦で相対する日程のため、いきなり注目の対戦カードとなるだろう。残るカナダとイギリスは、休養日がない4連戦と日程的にも厳しい戦いが予想される。逆境を乗り越え、大会に波乱を巻き起こせるか。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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