新体制で逆襲の連覇を誓う青森山田 エースストライカー小湊は「自信を持って優勝を狙える」

平野貴也

県大会後、正木監督の新体制へ

県大会後、ヘッドコーチから昇格して指揮を執っている正木監督 【平野貴也】

 変わったのは、選手たちだけではない。約30年間、このチームをまとめ、強豪校に押し上げた黒田剛総監督(当時監督)が10月、来季からJ2町田ゼルビアの監督に就任することが発表された。そのため、11月上旬に県大会を勝ち抜いた段階で、正木監督がヘッドコーチから昇格し、チームの指揮を引き継いだ。正木監督は「どこが勝つか分からない中で、勝って行くのが青森山田だと思っている。(来季、黒田総監督が)実際にベンチからいなくなったときに、どう感じるかは、なってみないと分からない。でも、今までも、負けたらオレのせいだとプレッシャーを感じながらやってきた」と話し、最終的な決断を下す立場の重圧を感じながらも、特に変わることはないという姿勢を強調した。

 正木監督の下、インターハイ全国初戦敗退の悔しさを晴らし、連覇という栄冠にたどり着けるか。FW小湊は「2人(黒田、正木)の監督に国立の空を見せたい」と胴上げを誓った。

 小湊の推進力やミドルシュートには磨きがかかり、アタッカーのMF奈良岡健心(3年)のロングスロー、右DF渡邊来依(3年)のパワフルな攻撃参加は健在。インターハイでは強引に復帰した形だった主将のDF多久島良紀(3年)は復調傾向。足下の技術があるMF芝田玲(2年)は、攻撃の軸に成長した。MF中山竜之介(3年)は、サイドでも中央でもプレーできるマルチプレーヤーに変ぼう。190センチの長身DF小泉佳絃(2年)ら下級生の台頭もあり、夏から戦い方にバリエーションが加わった。ミドルシュートには十分に戦える戦力は、ある。圧倒的な優勝候補だった昨季とは確かに違うが、今季も粘り強く、勝利にこだわって戦い抜く。反骨心を抱えて見据える連覇は、逆襲の道の先にある。

2/2ページ

著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント