【W杯・クロアチア戦3つの焦点】日本と似たチーム? ギアアップの鍵は“ピッチ上の監督”の動き

飯尾篤史
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37歳の大ベテラン・モドリッチ。いまだに運動量が多く、クロアチアにとって絶対的な存在だ 【Getty Images】

 ドイツ、スペインを撃破した日本のラウンド16の相手は前回大会で準優勝に輝いたクロアチアだ。大会屈指の中盤を誇るチームは果たして、どのような戦いを挑んでくるのか。日本サッカー界がまだ見ぬベスト8進出に向けた3つの焦点を掘り下げる。

後半開始からのクロアチアの猛攻に注意

 ベスト16で対戦するクロアチアは、日本と似たチーム――。

 そう言い切ってしまうと語弊があるかもしれないが、試合中にふたつの顔を見せるという点で似ている。

 日本はなるべく失点を抑えてハーフタイムを迎え、後半に入って攻撃のカードを切ることで流れを一気に手繰り寄せてきた。

 グループステージではドイツ、スペインの両巨頭から大金星を挙げたが、いずれも後半からピッチに立った堂安律、三笘薫、浅野拓磨の活躍がチームを勝利へと導いた。

 一方、クロアチアはどのゲームでも前半30分ごろまで様子見のような時間を過ごす。

 そして、前半の最後15分間と後半の開始15分間に攻撃のスイッチが入るのだ。

 こんなデータがある。

 クロアチアはグループステージの3試合で40本のシュートを放ったが、そのうち7本が31分から45分の間に、15本が46分から60分の間に生まれている。

 クロアチアが攻撃のスイッチを入れる瞬間――それは、“ピッチ上の監督”と言われるルカ・モドリッチがポジションを上げるときだ。

 4-3-3のインサイドハーフを務める37歳の重鎮は、ゲーム序盤にはディフェンスラインまで下がってビルドアップに関わりながら、戦況を探っている。だが、この2018年バロンドール受賞者がスルスルと前線に顔を出すようになると、クロアチアの攻撃に厚みが生まれ、相手ゴールに迫る機会が増えるのだ。

 日本としては、モドリッチの位置取りから対戦国の狙いを感じ取り、マークをしっかり受け渡してこの10番をしっかり監視したい。

ボールを支配するのは日本?

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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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