サッカーW杯・決勝T進出16カ国「戦力ランキング」
記事
開幕前にお届けした「出場全32カ国・戦力ランキング」のベスト16版だ。決勝トーナメントに駒を進めた16チームの戦力を、グループステージでのパフォーマンスやコンディションなども加味して改めて採点した。前回のランキングで上位だったドイツ、ベルギーなどが姿を消したが、果たしてどんな順位になったのか。
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解説
FW陣の充実ぶりが最も際立つのはイングランドだ。非凡なポストワークで異彩を放つハリー・ケイン、フィニッシュもチャンスメークも秀逸なブカヨ・サカ、ラヒーム・スターリングの3トップだけでなく、マーカス・ラッシュフォード(3得点)、フィル・フォーデン、ジャック・グリーリッシュ(各1得点)、カラム・ウィルソン(1アシスト)とバックアッパーたちも結果を残し、悲願の優勝への期待を膨らませる要因になっている。
フランスの前線も強烈なインパクトを残している。とりわけキリアン・エムバペとウスマンヌ・デンベレの両ウイングは大会随一の水準にあるうえ、CFのオリビエ・ジルーが初戦で2ゴールを挙げるなど健在を示していて、カリム・ベンゼマやクリストファー・ヌクンクの負傷欠場によるダメージをまるで感じさせない。なかでも別格の輝きを放つエムバペを軸とするFW陣がイングランド同様、チームを頂点へ押し上げる原動力となるか。
セルビア戦でセンセーショナルな一撃を決めたリシャルリソン、スイス守備陣をズタズタに切り裂いたヴィニシウス・ジュニオールが頼もしいとはいえ、ブラジルのFWは戦前の満点評価より1点ダウン。ネイマールが初戦で右足を痛めたからだ。20年ぶりの王座返り咲きを期すセレソン最大の拠り所は、むしろDF陣かもしれない。重鎮チアゴ・シウバ、マルキーニョス、エデル・ミリトンが水も漏らさぬ鉄壁の守備を披露している。
MFの最高評価もイングランドだ。昨年のEURO決勝進出に貢献したメイソン・マウント、デクラン・ライスに続き、ジュード・ベリンガムもワールドクラスの仲間入りを果たした印象で、カルビン・フィリップスがウェールズ戦で1アシストとバックアッパーも目に見える結果を残している。イングランドは懸案だったCBハリー・マグワイア、GKジョーダン・ピックフォードの状態も良さそうで、大会前の不出来(6月と9月の6試合で3分3敗)が嘘かのようだ。
ラウンド・オブ16で日本と対戦するクロアチアの中盤も素晴らしい。37歳の大黒柱ルカ・モドリッチ、マテオ・コバチッチ、マルセロ・ブロゾビッチのトリオは技術、連係のどちらを取ってもハイクオリティー。逆に、やや評価を下げざるをえないのはスペインの中盤か。ペドリ、ガビ、セルヒオ・ブスケッツのトライアングルは、グループステージ3戦目で試合をコントロールしきれずに、日本に逆転負けを喫する一因となった。ただ、3戦連発のアルバロ・モラタが嬉しい驚きのFWは戦前より高く評価されてしかるべきだ。
好印象を残しているのは、オランダのMF陣も同様だ。23歳の新鋭コディ・ガクポ(FW登録だがトップ下が主戦場)が3試合連続弾とブレイクを果たせば、頼みの綱であるフレンキー・デ・ヨングもゲームメークにゴールと気を吐いている。セネガル戦で勝負を決める2点目を挙げたダフィ・クラーセンら“縁の下の力持ち”の活躍も顕著だ。今大会をステップボードにして、ヴェスレイ・スナイデルやクラレンス・セードルフといった偉大な先達の領域に近づく者が現れるかもしれない。その筆頭候補はやはりデ・ヨングだ。
下馬評を覆したモロッコ、日本、オーストラリアの戦力値も見直しが必要だろう。日本は、ドイツ戦でゴラッソのFW浅野拓磨、炎の連続セーブを見せたGK権田修一、ドイツとスペインのネットを揺らしたMF堂安律が上積みで、モロッコならベルギー撃破の立役者となったFWザカリア・アブクラル、DFロマン・サイス、オーストラリアならドリブルもシュートも冴えるFWマシュー・レッキーの活躍がとりわけ印象深い。
最後に、アルゼンチン。ポーランド戦でPKを外したとはいえ、リオネル・メッシはやはりリオネル・メッシだ。サウジアラビアとの初戦でよもやの逆転負けを喫し、絶対に負けられなくなった2戦目(対メキシコ)で決定的な仕事をこなしたほか、他の追随を許さないパスセンスやドリブルで周囲も輝かせる稀代のレフティーは、悲願のトロフィーを掲げられるか。アルゼンチンの戦力値はブラジルやイングランドにやや見劣りするが、メッシという圧倒的な個の力が、すべてをひっくり返す可能性はやはり否定できない。
(企画・編集/YOJI-GEN)