ファンが選ぶ! WBC・侍ジャパンの代走は? WBCの舞台でも「侍フェラーリ」が疾走する

前田恵
 WBCで侍ジャパンが世界一に輝くためには、“足(そく)”戦力が不可欠。それは、過去の国際大会からも明らかだ。2019年に支配下登録され、まだ所属チームのレギュラーとはいえなかった周東佑京(ソフトバンク)がオフの第2回WBSCプレミア12代表に選ばれ、大会最多4盗塁の活躍を収めたことは記憶に新しい。その印象もあってか今回の「代走部門」では、ポジション別部門で名前の挙がらなかったフレッシュな選手が上位に躍り出た。

ファンが選ぶ! WBCベストメンバーポジション別ランキング 代走編

1位:周東 佑京(ソフトバンク)得票率 55.59%
2位:近本 光司(阪神)    得票率 8.57%
3位:髙部 瑛斗(ロッテ)   得票率 4.87%
4位:塩見 泰隆(ヤクルト)  得票率 4.11%
5位:五十幡 亮汰(日本ハム)  得票率 3.52%
6位:和田 康士朗(ロッテ)  得票率 3.45%
7位:岡林 勇希(中日)     得票率 2.39%
8位:中野 拓夢(阪神)     得票率 1.79%
9位:佐野 皓大(オリックス) 得票率 1.66%
10位:増田 大輝(巨人)     得票率 1.54%
11位:並木 秀尊(ヤクルト)  得票率 1.48%
12位:島田 海吏(阪神)     得票率 1.16%
13位:丸山 和郁(ヤクルト)  得票率 1.07%
13位:西川 遥輝(楽天)     得票率 1.07%
15位:吉川 尚輝(巨人)    得票率 1.04%
16位:高松 渡(中日)      得票率 0.97%
17位:松本 剛(日本ハム)   得票率 0.72%
18位:若林 楽人(西武)     得票率 0.66%
19位:中島 卓也(日本ハム)  得票率 0.41%
20位:山崎 晃大朗(ヤクルト) 得票率 0.38%

侍ジャパンの経験豊富な周東佑京が断トツの1位

11月の強化試合で栗山監督に存在感をアピールした周東佑京が2位を大きく引き離した 【写真は共同】

 1位は得票率55.59%と、前述の周東が圧倒的な支持を得た。周東は11月初旬の侍ジャパンシリーズ2022でも、WBC1次ラウンドで同組となるオーストラリア相手に2試合連続で盗塁を決め、本領を発揮している。「思い切りがいいので! 二盗三盗本盗と決めた試合の印象が強いです!」「どんな打球でも還ってきてくれそう」(以下、「カギカッコ」内はファンのコメント)と走力を買う声はもちろん、「代走だけではなく打力もあり、守備もユーティリティー」と内外野を守れ、パンチ力のある打撃に期待する声も多かった。

 2位は他部門でも上位にランクインした近本光司(阪神)。ただ得票率は8.57%と、周東には大きく水を開けられた。プロ在籍4年目にして、3度の盗塁王。コンスタントに打率を残しており、“代走”部門には収まり切らないと判断されたか。ファンからのコメントも、「走塁だけでなく打撃、守備も一流でスタメンも考えられる」「代打としても使え、守備もうまい。どのタイミングでも活躍できる選手」と評価は走力だけに留まらなかった。

パ・リーグの盗塁王が3位にランクイン

盗塁王とゴールデングラブ賞を獲得した髙部瑛斗は打撃でも貢献できそうだ 【写真は共同】

 得票率4.87%で3位に入ったのは、髙部瑛斗(ロッテ)だ。レギュラーの座をつかんだ今季、盗塁王とゴールデングラブ賞(外野手部門)を獲得。新たなスピードスターに名乗りを挙げた。「積極性の高さと走塁技術の高さ。その後の出場で、打撃でも貢献できそう」「投手の癖を盗むのがうまいから」といった理由で、ファンに「使ってみたい選手」と思わせた。

 次に外野手部門でもランクインした塩見泰隆(ヤクルト)が、得票率4.11%の4位。「球界一といっていいくらい足が速く、ベースランニングがうまい」「足はもちろん、一発もあるから」とファンも言う通り、足でも打撃でもダイナミックな活躍が楽しみな選手だ。

 5位には得票率3.52%で、「サニブラウンに勝った男」こと五十幡亮汰(日本ハム)。かつて全日本中学校陸上競技選手権で、今や世界を股にかけて活躍する陸上競技選手・サニブラウンを抑え、2種目に優勝した俊足の持ち主だ。「速すぎて見えない」走力を、こちらも世界の舞台で見せてほしいところだ。

 同率で、和田康士朗(ロッテ)もランクイン。「日本プロ野球界随一の韋駄天」ではあるが、一方で「3年前なら周東だろうけど、今だったら和田じゃなかろうか。ただ代走と言いつつ、打者としての働きも期待するなら、和田ではない」との声も。打力のさらなる奮起を待ちたい。

 7位の岡林勇希(中日=得票率2.39%)は、プロ入り3年目の今季、最多安打とゴールデングラブをW受賞した20歳。「走力もあり肩が強いため、センターかライトの守備固めもできる」と評された。確かに「見てみたい」選手である。

<企画構成:スリーライト
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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