連載:WBCに挑む侍ジャパンのベストオーダーは?

ファンが選ぶ! WBC・侍ジャパンの正捕手は? 守備は甲斐、打撃は森、中村悠平が食い込むか?

前田恵
 WBCでは、3人の選出が見込まれる捕手部門。セ・パを代表する捕手が1人ずつ選ばれるのは間違いないとして、“3人目”をどんな視点でセレクトするのかが、気になるところだ。今回ファンが選んだ侍ジャパンの女房役は、やはり経験と安定感を優先した人選となった。

ファンが選ぶ! WBCベストメンバーポジション別ランキング 捕手編

1位:甲斐 拓也(ソフトバンク)得票率 30.11%
2位:中村 悠平(ヤクルト)  得票率 23.22%
3位:森 友哉(西武)     得票率 17.42%
4位:小林 誠司(巨人)    得票率 5.42%
5位:梅野 隆太郎(阪神)   得票率 5.11%
6位:坂倉 将吾(広島)    得票率 3.88%
7位:若月 健矢(オリックス) 得票率 3.18%
8位:木下 拓哉(中日)    得票率 3.16%
9位:松川 虎生(ロッテ)   得票率 2.79%
10位:大城 卓三(巨人)    得票率 1.16%

セ・リーグ連覇の立役者が正捕手の座を奪うか

守備重視で甲斐拓也か、総合力で中村悠平か。ファンの間で票が割れた 【写真は共同】

 1位は得票率30.11%で、甲斐拓也(福岡ソフトバンク)。なんといっても、2019年のプレミア12で中心選手として、東京2020五輪で正捕手として世界一に輝いた実績が評価された。
「オリンピックでの活躍と、年齢的にも兄貴的な位置でいいかと」「世界大会の経験が豊富。リード面と肩が特に優れている」「守備最強。打率は低いがバントは的確」(以下、「カギカッコ」内はファンのコメント)と長所短所を折り混ぜての評ながら、投票者の約3割は「侍のキャッチャーはこの人しかいない」と考えたということだ。

 ヤクルトの正捕手・中村悠平は、得票率23.22%の2位に選ばれた。チームを2年連続セ・リーグ優勝へと導いた正捕手。「ヤクルト連覇の陰のMVPだと思う。リードの良さはピカイチで、打撃もここぞというときに打ってくれるので頼もしい」「打者をよく見て、配球している」とファンもコメントする通り、今季の日本シリーズも含め、そのリードは高く評価されている。本アンケートで2位に落ち着いたのは、国際大会経験の少なさゆえ。しかし「日本一を目指すヤクルトの投手陣をうまく引っ張っているので、ぜひ侍でも見てみたい」「大舞台に強いから」と、すでにジャパンの中心選手として大いに期待がかかる。

森のスタメン起用で夢の最強打線完成か?

森友哉がスタメンに入れば相手バッテリーにとって相当な脅威になるだろう 【写真は共同】

 さて1位の甲斐が「守備力重視」、2位の中村が「攻守のバランス」なら、3位には「打てる捕手」森友哉(西武=得票率17.42%)である。「こんなに打てる捕手はいない」「動く球への対応が一番できる選手。なおかつ、捕手としての能力が高い」と、投票理由のほぼすべてで、“打力”がキーワードになっていた。NPB史上わずか4人しかいない、捕手の首位打者。11月7日現在、FA移籍を巡る争奪戦の渦中におり、WBC本戦のメンバーに選ばれるかどうか以前に、どのチームの選手として3月を迎えるかが気になるところだ。

 4位には、今季60試合の出場だった小林誠司(巨人=得票率5.42%)が入った。2017年のWBCでは、日本代表の正捕手。全7試合に先発出場し、チームトップの打率.450と大活躍した“ラッキーボーイ”ぶりが買われ、「世界のKOBAYASHIが降臨する」と、前回大会の再現を夢見る声が。

なお6位の坂倉翔吾(広島=得票率3.88%)は、「一、三塁も守れるユーティリティー枠として」。また9位には、捕手部門トップ10中最年少の19歳・松川虎生(千葉ロッテ=得票率2.79%)が「佐々木朗希の相方は、松川しか務まらない気がする」と、“佐々木朗希枠”込み(?)で選ばれている。


<企画構成:スリーライト>
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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