連載小説:I’m BLUE -蒼きクレド-

[連載小説]I’m BLUE -蒼きクレド- 第15話「フェイクニュース」

木崎伸也 協力:F
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舞台は2038年。11月開催のインド・ワールドカップに向けて、日本代表は監督と選手たちの間に溝が生じていた。
日本代表の最大の弱点とは何か?
新世代と旧世代が力を合わせ、衝突の中から真の「ジパングウェイ」を見いだす。
木崎伸也によるサッカー日本代表のフィクション小説。イラストは人気サッカー漫画『GIANT KILLING』のツジトモが描き下ろし。

【(C)ツジトモ】

 事故の翌朝、前代未聞の出来事にメディアは騒然となった。
 玉城迅はホテルのベッドで目を覚ますと、スマートフォンでネットニュースをかたっぱしに読み漁った。

【日本代表バスが電柱に激突。原因は車内のケンカ】
【加藤慈英と松森玲王は2試合出場停止処分】
【ファンは落胆。レオの代表デビューはおあずけ】

 不幸中の幸いだったのは、秋山大監督の指示によって、運転手がスピードを落としていたことだ。
 最後列の中央に座っていたキャプテンの高木陽介は大きくダイヴする形になり、額に3針縫う傷を負ったがプレーに支障はない。フロントガラスに激突した玉城自身も首筋に切り傷ができた程度で、朝起きたときにむち打ちの症状もなかった。
 負傷者1人。それが警察が発表した数字だった。
 だが、バスの前面は電柱の形にへこみ、フロントガラスは大破してしまった。傾けてしまった電柱についても、電力会社に弁償しなければならない。公益財団法人である日本サッカー連盟として大失態である。
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著者プロフィール

1975年、東京都生まれ。金子達仁のスポーツライター塾を経て、2002年夏にオランダへ移住。03年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材した。現在は東京都在住。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『革命前夜』(風間八宏監督との共著、カンゼン)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。17年4月に日本と海外をつなぐ新メディア「REALQ」(www.real-q.net)をスタートさせた。18年5月、「木崎f伸也」名義でサッカーW杯小説『アイム・ブルー』を連載。

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