連載:プロ野球ドラフト史「全12球団“ヒット指名”ランキング」

会心のドラフト指名・楽天編 目立つのは島内ら大学→プロ入りの成功例

間淳
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明大から6位指名で入団。当初は代走としての起用が多かった島内だが、いまや打線の核だ 【写真は共同】

 各球団がこれまでにドラフト指名した選手の中で、一番の“ヒット”だったと言えるのは誰か。無名の選手や他球団の評価が低い選手の才能を見抜き、のちにチームに大きく貢献することになる金の卵を手に入れた「成功例」を識者に挙げてもらい、順位づけもお願いした。第7回は楽天。球団創立が2005年と歴史はまだ浅いが、大学生の指名を中心にヒットは少なくない。

10位:草野大輔(05年大・社ドラフト8巡目/内野手/ホンダ熊本)

 アマチュア時代からバットコントロールの良さには定評があったものの、ドラフトで指名された時は29歳になる間近。プロ入りするには遅すぎると他球団が二の足を踏むなか、楽天の判断は間違っていなかった。

 プロ2年目にはシーズン後半から3番に定着し、規定打席不足ながら打率.320をマークした。4年目の09年には主軸で打率.305を記録。球団史上初のクライマックスシリーズ進出(2位)に大きく貢献し、当時の野村克也監督からは「天才」と評された。プロ生活は7年と長くはなかったが、ファンの記憶に残る選手だった。

9位:内村賢介(07年育成ドラフト1巡目/内野手/BC石川)

 高校(山梨学院)や社会人(JFE西日本)で目立った成績や活躍はない。身長163センチの育成選手。野球は実績や体格ではないと証明した。

 スピードを武器にプロ1年目の8月に支配下登録されると、一軍でも47試合に出場して打率.289、9盗塁の成績を残した。出場機会は年々増え、プロ4年目の11年は123試合で31盗塁をマーク。移籍したDeNA時代を含めてプロ8年間で通算100盗塁に到達した。出塁率を上げるために内野安打を増やす打撃に変更するなど、プロで生き抜く術を身に付けた内村。その能力を見抜いたスカウティングもプロだった。
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著者プロフィール

1980年2月14日、新潟県出身。スポーツ紙、テレビ局勤務を経て独立。スポーツ紙ではヤンキースや楽天を担当した。現在はスポーツを中心としたライティングや、マネージメント業を行っている。

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