連載:実は美味しい凱旋門賞 的中戦略は?

日本競馬と凱旋門賞はトラック競技と箱根5区 馬券師・TAROが選んだ「5区」向きの穴馬とは?

木村俊太
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9月10日に開催されたアイリッシュチャンピオンステークス。TARO氏はこのレースが前哨戦として1番レベルが高いと見ている 【Getty Images】

 新進気鋭の競馬予想家・TARO氏が、故・大川慶次郎氏の予想に心酔し、ネット掲示板で競馬予想を始めたのは中学2年の時。2004年からブログ「TAROの競馬」を展開し、2009年に雑誌『競馬最強の法則』で発表した「枠運理論・ラッキーゲート」にて予想家デビュー。以来、雑誌やネットなどあらゆるメディアで予想を披露するTARO氏は、今年の凱旋門賞をどう分析しているのか? 高額配当を狙う競馬ファンへ、とっておきの穴馬を教えてもらった。

日本の競馬と凱旋門賞はまったくの別競技

TARO氏は、前走のエクリプスS(G1)を制して凱旋門賞に乗り込む仏ダービー馬・ヴァデニを有力馬に推す 【Getty Images】

――まずはTAROさんの予想のスタンス、強みなどについて教えてください。

 デジタルの数字などよりも実際のレース映像をとにかくたくさん見ることに力を入れています。今は海外でも国内でも、ほぼ全部のレースが見られるので、その映像を分析して予想に活かしています。例えば、その馬がどういう走りをしていたのか、どんな不利を受けたのかといったところも見て、新聞などではわからない部分を映像で確認するという、どちらかというとアナログ的なスタンスで予想しています。最近はAI予想など、さまざまな数値データが手に入りますが、私の場合はアナログ予想という部分が一番の特徴かなと思います。

――海外の馬の情報、映像はどのように集めていますか?

 海外のレース映像は集められないと思われがちなのですが、実は普通にネットで見ることができるんです。別に違法なものとかではなく、合法のものです。各国に日本のJRAような統括組織があります。例えば、フランス競馬ではギャロ(France Galop)というところがありますが、そういった組織やメディアなどレース映像を公開していて誰でも見ることができます。馬名をアルファベットで入力して検索すれば、結構出てきます。そうやって、一頭一頭、レース映像を見るというところから始めます。面倒と言えば面倒ですが、私の場合はもう趣味みたいなものなので、楽しみながら見ています。

 JRAのホームページでも主要なレースの映像が見られるようになっていたり、海外の競馬を紹介する「主要国 WEBサイトの歩き方」というページもあるので、参考にされるといいと思います。

 誰でも見られる情報とはいえ、やはり日本馬よりは少ないので、海外競馬はオッズ的にはおいしくなることも多いですね。そういう意味でも、海外競馬の予想は楽しいですし、好きです。予想のスタンスそのものは国内競馬とほとんど変わらないです。

――凱旋門賞の特徴についてどう考えていますか?

 凱旋門賞は芝2400mなので、日本の競馬で言えば日本ダービーやジャパンカップなどと同じように見えるのですが、実際は大きく異なります。もう別の競技と考えた方がいいくらいです。
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著者プロフィール

1966年生まれ。東京都出身。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーライター・フリー編集者。スポーツ(競馬・ラグビーなど)取材を中心に活動中。競馬においては、馬券だけに留まらない競馬の魅力を広く伝えたいと願い、取材・執筆活動を行っている。著書に『ベガとアドマイヤベガ 奇跡の親仔物語』(イーハトーヴ刊)『スペシャルウィーク 最強馬の証明』(ザ・マサダ刊)『テイエムオペラオー 孤高の王者』(廣済堂刊)『観戦初心者のための ラグビー 25のルールと見方』(Kindle版)などがある。

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