連載:ファンを魅了する“種牡馬”の世界

競走馬生産のプロ・岡田牧雄氏の血統哲学 菊花賞馬タイトルホルダー生産の背景とは

木村俊太
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現役時代にチャンピオンズカップ、東京大賞典、JBCクラシックのG1を制したサウンドトゥルーと岡田牧雄氏 【撮影:スリーライト】

 菊花賞馬タイトルホルダーを生産した岡田スタッドの岡田牧雄代表は、博学かつ研究熱心で知られる。そんな岡田氏の種牡馬、血統における哲学とは? 長年の研究と経験、そして子どもの頃から馬を見続けて身に付けた類まれなる相馬眼で、今後注目される種牡馬、活躍が期待される種牡馬についても見極めてもらった。 

突然変異の馬が競馬の歴史を変えていく

2007年の有馬記念を制したマツリダゴッホの父はサンデーサイレンス。岡田氏は丈夫な長距離馬にこだわり競走馬の生産に携わってきたという 【写真は共同】

――岡田さんはオーナーブリーダーとして、これまでどのような信条で馬づくり、馬育てをされてきたのでしょうか。

 馬の生産で一番大切にしていることは、「丈夫な馬」をつくるということですね。いくら血統がよくても、いくら見栄えがよくても、脚元が弱ければ走りません。

 日本の競馬は、世界に類を見ないほど賞金体系がしっかりしています。出走奨励金も含めれば8着まで(重賞や平地のオープン競走では10着まで)「賞金」がもらえますし、出走手当(特別出走手当)もあります。丈夫で出走回数が多くなれば、獲得賞金で牧場の経営も成り立つのではないかと考えて、これまでずっと努力してきました。「能力のある丈夫な馬を見極める」ということをずっとやってきたように思います。

――種牡馬について、生産者としてどのようなお考えをお持ちなのでしょうか。

 世界中、どこを見ても、種馬を制する者がその国のトップになっています。最終的には、リーディング・サイヤーを自分の所有馬として持ちたいという思いはあります。

――これまでの種牡馬で、岡田さんが「この一頭」として挙げるとすると、どの馬になりますか。

 それはもう、何と言ってもサンデーサイレンスですね。
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著者プロフィール

1966年生まれ。東京都出身。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーライター・フリー編集者。スポーツ(競馬・ラグビーなど)取材を中心に活動中。競馬においては、馬券だけに留まらない競馬の魅力を広く伝えたいと願い、取材・執筆活動を行っている。著書に『ベガとアドマイヤベガ 奇跡の親仔物語』(イーハトーヴ刊)『スペシャルウィーク 最強馬の証明』(ザ・マサダ刊)『テイエムオペラオー 孤高の王者』(廣済堂刊)『観戦初心者のための ラグビー 25のルールと見方』(Kindle版)などがある。

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