バドミントン松本&永原、4大会連続のメダル獲得も…王座奪回にむけての課題とは?

平野貴也

多彩でミスのない攻撃を中国ペアに学び、磨き直しへ

守備から攻撃への流れと、攻撃の精度。2つの課題が今後のポイントになっていく 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 2人が今大会で得た課題は、2つある。1つは、松本が「どうやって攻撃に持っていくかが、永遠の課題」と話した部分だ。守備から攻撃へ移行する部分は課題のままだが、世界選手権で見せた、サービス周りから先手を取って、攻守交代を許さずに点を取りきる部分は、さらに継続して強化する必要がある。永原は「中国ペアは本当に穴がなくて、あのレベルを目指したい。今日やってみて、あれだけレシーブが堅い相手だと形も作らせてもらえない。そうすると、レシーブで攻撃にいくまでに我慢しないといけないけど、相手の上からのショットで自分たちが崩されてしまった。相手から学ぶところでもある」と話した。

 しかし、その課題を磨き直しながら中国ペアに再挑戦しようとした、翌週のダイハツヨネックスジャパンオープンでは、再戦を目前にして準々決勝で敗退。永原は「相手に決められたというより、自分たちからミスをして相手に点数をあげてしまった。やっぱり、まだ波がある。中国のペアは、常に良いパフォーマンスができている」と攻撃の精度を課題に挙げた。

中国ペアを王者と認め、挑戦者として王座奪還を目指す

 世界選手権で銅メダルを取り、24年パリ五輪に向けた女子ダブルス戦線で、今もなおメダル圏内にいることを証明した。一方で、中国ペアとの間には確実な差があることを痛感させられた。松本は、世界選手権の準決勝を終えた後に「相手が第1シードで、準決勝で戦ってみて、王者だなという感じがあった。なかなか崩れないし、こっちの攻撃も簡単には決まらない。自分たちも粘り強くプレーして、もう一度、王座を奪還できたらと思っています」と相手の強さを認めて再挑戦を誓った。

 世界選手権での悔しさを糧に、武器である攻撃力を磨き直し、中国ペアを追いかける。

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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