村田諒太のゴロフキン攻略なるか? 両者を知る名参謀3人が挙げるカギ
元世界3団体(WBA、WBC、IBF)統一ミドル級王者ゴロフキンとの決戦が間近に迫ってきた村田(左) 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
この大勝負に村田はどう挑み、いかに勝機を見いだすべきなのか。いずれも経験豊富な腕利きの指導者3人に話を聞いた。
ひとりは八王子中屋ジム・先代会長の中屋廣隆チーフトレーナー(67歳)。2012年5月、愛弟子・淵上誠とウクライナでゴロフキンに挑んだ。元東洋太平洋、日本ミドル級王者の淵上を始め、元日本ミドル級王者の鈴木悟、1階級下のスーパーウェルター級で東洋太平洋、日本王座を制したチャールズ・ベラミーなど、中重量級のチャンピオンを数多く手がけたベテランである。
もうひとりはロサンゼルス在住で、当地で長く指導経験を積む岡辺大介トレーナー(45歳)。2013年3月、モナコでゴロフキンに挑戦した元WBA世界スーパーウェルター級暫定王者・石田順裕に戦略を授けた。村田vs.ゴロフキンと同じリングに登場するWBO世界フライ級王者の中谷潤人(M.T)、元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(横浜光)に携わる。
最後のひとりは2006年、プロ8戦目で名城信男をWBA世界スーパーフライ級王者に導き、史上最年少32歳で栄えあるエディ・タウンゼント賞を受賞した藤原俊志トレーナー(47歳)。現役時代は南京都高校、日本大学でトップアマチュアとして活躍。村田の高校の先輩にあたる。昨年、志成ジムの世界4階級制覇王者・井岡一翔のチームに加わり、同ジムで手腕を振るう。
まずは、ともに当時30歳のゴロフキンと向き合った2人から。プロ転向から約4年でWBA王座に就いた破格の強打者は、淵上との4度目の防衛戦から4ヵ月後、念願だったアメリカ進出を果たすなど、世界的スターへの階段を上り始めたところだった。
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「トップクラスの肉体で“前に”」(中屋トレーナー)
八王子中屋ジム・先代会長の中屋廣隆チーフトレーナー。2012年5月、愛弟子・淵上誠とウクライナでゴロフキンに挑んだ 【写真:船橋真二郎】
厳しい条件は覚悟の上の挑戦だった。正式発表が試合の10日前。ほとんど準備期間はなく、慌ただしく戦いの舞台へ飛び立った。淵上はサウスポーの変則タイプ。特長を前面に出し、前半は独特のリズムでかわして、さばいて、中盤以降に勝負の機会をうかがう作戦だった。
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