連載:“大谷翔平の衝撃”でどう変わる? 日本人メジャーリーガーの現在と未来

前田健太、独占ロングインタビュー 復帰プランと後輩・鈴木誠也へのエール

杉浦大介
 昨年9月に右肘を手術し、現在はリハビリ中の前田健太(ミネソタ・ツインズ)だが、その表情に焦りの色はない。ふたたびマウンドに立つ日をイメージしながら、ゆっくりとではあるが前向きに、復帰への道を歩んでいる。そんなマエケンが、今回『スポーツナビ』の独占インタビューに応じてくれた。ケガの回復具合から、メジャーでの過去6年間の変化、日米の野球の違い、そしてシカゴ・カブスへの入団が決まった広島時代の後輩・鈴木誠也へのエールまで──。まずは、1時間以上に及んだロングインタビューの前編をお届けする。

トミー・ジョン手術に前向きなメッセージを

リハビリからのスタートとなったメジャー7年目だが、その表情は明るかった。時おり笑顔を浮かべながら、多岐に及んだ質問に丁寧に答えてくれた 【YOJI-GEN】

――昨年9月にトミー・ジョン手術を受けて以降、リハビリを続けてこられました。現在、右肘の状態はいかがでしょう?

 順調に来ていますよ。キャッチボールも3月に入ってすぐにスタートしていて、今は18〜20メートルくらいの距離から投げているところです。トレーナー陣にも、状態としてはすごくいいと言われています。

――久しぶりにボールを握った感触はどうでしたか?

 やっぱり嬉しかったですね。ボールを投げられない期間が約6ヶ月もありましたから。

――昨年のトミー・ジョン手術直後、「今は前向きだけど、しんどい時が来ると思う」とおっしゃっていましたが、そういう時期は実際に経験しましたか?

 そこまで落ち込むこともありませんでしたし、僕は大丈夫な気がします。復帰した時の姿をイメージしながら頑張ることが、大きなモチベーションになっていますから。日本人でも、アメリカ人でも、トミー・ジョン手術を受けた選手はみんな「リハビリが辛かった」と話していて、自分もそう感じるんじゃないかと当初は不安でしたが、今は「何がそんなにしんどかったんだろう?」って思うくらい(笑)。「トミー・ジョン手術はそこまでしんどくないよ」って、僕自身は前向きなメッセージを発信していけたらと思っています。

――手術直後、ダルビッシュ有投手(パドレス)から摂取すべきサプリメントについてアドバイスを受けたそうですね。その後もダルビッシュ投手とは継続的にコンタクトを?

 継続的ではないですが、いろいろとアドバイスはもらっています。現状、リハビリに関してはトレーナーと相談しながらやっていますが、もう少し投げられるようになったら、また話をうかがうかもしれません。

――やはり復帰時期が気になるのですが、具体的なタイムテーブルは定まっていますか?

 復帰まで約1年と言われているので、早くて9月。ただ、リハビリ途中に痛みが出たり、張りが強くなったりすると、少しペースが遅れるかもしれません。本当に人それぞれだから、絶対にこの時期とは言えないそうです。場合によってはシーズン中には間に合わないかもしれません。

――今後はキャッチボールの距離を延ばしていって、それから投球練習に移るという流れですか?

 そうですね。ただキャッチボールもすぐに距離を延ばせるわけではなく、同じ距離から2〜3週間は続けなければいけません。現在は18メートルの中で球数を増やしていくという作業をしていて、これはけっこう根気強くやらないといけないですね。

――今回、手術の際に日本人では初めて人工靭帯の“インターナルブレース”を使用されました。リハビリ期間を早めるためではなく、復帰した後の強化のため、という認識で正しいですか?

 その通りです。人工靭帯の移植だけなら、6ヶ月くらいで戻れる手術もあるんですけど、僕はそれができる状態ではなかったので、トミー・ジョン手術+人工靭帯。だからリハビリ期間は同じです。インターナルブレースを使うことで、もしかしたら復帰した時にトミー・ジョン手術よりも痛みが出にくかったりするかもしれませんが、まだ症例が少なくてわからないことも多いようです。

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著者プロフィール

杉浦大介

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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