[開幕直前スペシャル対談]中野信治×サッシャ 今季F1は「フェラーリの逆襲」が濃厚!?
元F1ドライバーならではの視点から解説をする中野信治さんと、モータースポーツに造詣が深いサッシャさん。DAZNのF1中継でお馴染みのふたりに今季F1の見どころを聞いた 【DAZN】
※リンク先は外部サイトの場合があります
サッシャ 見たこともない新しいクルマが登場したのに加え、勢力図も大きく変わりそうですね。ウイリアムズのアレックス・アルボンが上にいたり、フェラーリが終始速かったり、メルセデス、レッドブルの2強時代だった去年とは明らかに違う。これは楽しいぞ、と。
──話題のバウンシング(激しい縦揺れ現象)、あの現象は開幕数戦で解消されると思いますか?
中野 いや、コース特性によってぶり返すことは、充分考えられます。原理的に、消しようはないですから。ただドライバー的には、運転に支障をきたすほどではない感じです。チームにもよりますが、バーレーンはとりわけバンプ(コース上のでこぼこ)がひどいし、ここで大丈夫なら大抵のサーキットでいけそうですね。
サッシャ カナダとかアゼルバイジャン、マイアミとか、長い直線のある市街地コースは、また出そうですね。
中野 ああいうコースは足回りもやわらかくする必要があるので、メルセデスなどはそうしたデータも取っていたようですね。
“ぶつかりやすいドライバー”がアブナイ!?
「鈴鹿の攻略法が変わりそう」「“ぶつかりやすいドライバー”は(笑)、いっそう接触が増えるかも?」と今季の戦いを予想するサッシャさん 【DAZN】
サッシャ テストで見る限り、充分接近できていますね。
中野 もちろん実際にレースが始まらないと分からない部分はある。「3〜4台が前にいても本当に乱流が起きないのか?」とかね。でも、ドライバーのコメントはおおむね肯定的ですね。
──鈴鹿の高速S字とか、シルバーストンのマゴッツ〜べケッツなどは、去年までは絶対に近づけなかった。あそこで接近できたら、見ているほうもずいぶん面白くなるでしょうね。
サッシャ 鈴鹿の攻略法は変わるでしょうね。
中野 2秒速くても抜けないサーキットでしたからね。その点は朗報です。
──去年までは進入のブレーキングで無理やり飛び込んで追い抜く感じだった。でも今年のクルマだと、コーナリング中にも抜けるようになるかもしれない。“バトルの質”が変わるということでしょうか?
中野 近づきやすくなるぶん、いままで以上に激しくなるでしょうね。
──前を走るドライバーは、去年よりもミラーを注視する必要がある?
中野 そう思いますね。どこからでも来れちゃうから。去年までは、「来るならここしかないな」という感じだった。でも絶対来ないというのが、今年はないかもしれない。一瞬の油断もできないですね。
サッシャ いわゆる“ぶつかりやすいドライバー”は(笑)、いっそう接触が増えるかも?
中野 そうかもしれない(苦笑)。逆にオーバーテイクの技術の高いドライバーは、腕の見せどころですね。そこも期待できそうですね。