連載:ファン&解説者が予想! 2022年のプロ野球

鳥谷敬が2022年セ・リーグ順位予想 「巨人V奪還のキーは2番・吉川尚輝」

大利実

鳥谷がヤクルトのキープレイヤーに挙げた奥川恭伸(中央)。1年間、ローテーションを守り抜けば15勝以上を挙げるだけのポテンシャルを秘める 【写真は共同】

――3位予想がヤクルト。リーグ連覇は難しいですか?

鳥谷 投手陣に不安を感じます。ひとりひとりの力はありますが、「投手層」で見ると、少し劣ってしまうかな。たとえば、セットアッパーの清水昇投手がここ2年、素晴らしい働きをしていますが、蓄積疲労が出てくる頃でもあります。仮に、勝ちパターンのリリーフ陣が1枚欠けたときに、そこを補うピッチャーが巨人、阪神に比べると薄いと感じます。昨季、ファームでヤクルトと対戦し、実際に打席の中で感じたことでもありました。

――ヤクルトのキープレイヤーは誰になりますか?

鳥谷 期待を込めて、奥川恭伸投手ですね。15勝以上を挙げて最多勝を獲るだけの力を持っていると思います。1年間、ローテーションの軸として投げてくれれば、後ろのピッチャーにかかる負担が大幅に軽減されるでしょう。

DeNAは先発左腕のピッチングがカギ

昨季は19試合に登板して5勝5敗、防御率3.08の成績を残した今永昇太。3年ぶりの二桁勝利なるか 【写真は共同】

――ここからはBクラスになります。4位と予想したDeNAのキープレイヤーを教えてください。

鳥谷 DeNAは誰かひとりというよりは、先発を担う左ピッチャー陣ですね。

――今永昇太投手、濱口遥大投手、石田健大投手、坂本裕哉投手、そしてケガから復帰した東克樹投手ら、力のある左腕が揃っています。

鳥谷 ケガで離脱した時期もあり、期待通りに揃うシーズンがなかなかありません。昨季のチーム打率.258はセ・リーグ2位で攻撃力はあるだけに、左の先発陣が安定したピッチングを見せてくれると、Aクラスも見えてくると思います。

2022シーズンの予想をセパ共に多く答えてもらった 【画像:スリーライト】

――5位予想は中日です。

鳥谷 ナゴヤドームで戦う以上、得点力が低くなるのは致し方ないところがありますが、上位を狙うには得点力の向上が必須になります。そういう意味では、僕と同じショートの京田陽太選手の打撃に期待したいですね。

――昨季は打撃の状態がなかなか上がらず、5月にはプロ5年目にして初めて二軍落ちを経験しました。

鳥谷 京田選手がコンスタントに結果を残せれば、課題の得点力も改善されていくと思います。

――6位予想は広島。楽しみな若手が多いチームです。

鳥谷 鈴木誠也選手のMLB行きはほぼ決定的だと思いますが、鈴木選手が抜けたところを日本人だけで補うのは難しいと思います。それだけ、攻守両面での存在感が大きい選手でした。そう考えると、キープレイヤーとして期待したいのは新外国人選手です。

――昨季、3Aで打率.261、32本塁打、88打点をマークしたライアン・マクブルーム選手の獲得が発表されています。

鳥谷 まだ来日できていないので、正直どんな選手かわかっていませんが、広島には西川龍馬選手、坂倉将吾選手、小園海斗選手ら楽しみな若手が揃っています。外国人が打線の中で機能すると、上位に食い込んでくる可能性も十分にあると思います。

鳥谷敬(とりたに・たかし)

阪神で16年、ロッテで2年。セパの人気チームで多くのファン、選手に慕われた鳥谷敬 【写真:ロイター/アフロ】

1981年、東京都生まれ。2003年のドラフト会議、自由獲得枠で阪神タイガースに入団。入団1年目の04年から遊撃手として101試合に出場。衣笠祥雄に次ぐ歴代2位となる1939試合連続出場、17年に2000安打を達成。20年にロッテに移籍し、21年に現役引退。今季から野球解説者として活動する。通算成績は2243試合出場、打率.278、2099安打、138本塁打、830打点、131盗塁。

(企画構成:スリーライト)

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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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