2022シーズンJ2リーグ戦力ランキング J1から降格した4チームを上回るのは…
主力残留の千葉には期待の左利きのCBも
長崎はサイドバックが左右とも代わった点が不確定要素で「18」としたが、上記の高橋、奥井がうまくフィットすればシーズン中に「20」のレベルに達してもおかしくない。松田監督の守備戦術がベースにあるので大崩れすることはまず考えられない。あとはそこに選手がどれだけプラスアルファをもたらせるか。堅守の生命線となるセンターラインは基本継続だが、ギラヴァンツ北九州から加入のセンターバック村松航太は、レギュラー奪取も狙えるタレントだ。
J1から降格した大分が「17」。昨年の天皇杯で準優勝したメンバーがほぼ残っており、片野坂知宏監督から下平隆宏新監督になっても、守備力が下がる心配はほぼないだろう。ただし、下平監督はボールを動かしながら相手のディフェンスを崩すスタイルをさらに追求するはずで、その中でのリスク管理は再整備が求められる。ハイプレスが強みの山形も同じ「17」とした。
この後は仙台、横浜FC、岡山が「16」で続くが、岡山は京都サンガF.C.のJ1昇格を支えたヨルディ・バイスと空中戦に滅法強い柳育崇の“二本柱”が加わり、木山新監督が早い段階で確固たるバックラインの守備を構築できれば、堅実に勝点を積み重ねていくのではないか。バイスと柳はセットプレーでも鍵を握っており、うまくいけばセンターバックの2人だけで15得点ぐらい叩き出せる可能性がある。
新潟は新戦力次第で横浜FCに匹敵する陣容に
19ポイントの横浜FC、18ポイントの新潟に続くのが、昨シーズンにJ1を戦ったメンバーがそのまま主力になる仙台、山田康太など主力をチームに留めながら藤本佳希や木村誠二といった楽しみなタレントを加えた山形の2チーム(ともに「17」)。大分、徳島、長崎を千葉とともに「16」としたのは、現時点で上位4つよりも主力とサブの力の差がややあるためだが、どこもポテンシャルは高く、シーズン中に評価が逆転することも十分にありうる。
監督力で山形を最高評価の「19」にしたのは、昨年途中から率いるクラモフスキー監督の指導力に、渡邉コーチというJ1の監督レベルの参謀が加わったこともプラス材料にしている。さらに山形のクラモフスキー監督と同様に、途中就任の昨シーズンにチームを立て直した松田監督の長崎、札幌監督時代にJ1昇格の実績がある四方田監督の横浜FC、さらに尹晶煥監督の千葉に「18」をつけた。
2019年に横浜FCをJ1昇格に導いた下平監督が率いる大分、J1浦和レッズを指揮した経験があり“組長”の通称を持つ大槻毅監督のザスパクサツ群馬、J2で長きに渡り采配を続ける海千山千で“ヤンツー”こと柳下正明監督のツエーゲン金沢が「17」。ただ、この時点でそれ以下の評価となった監督でも、シーズンの結果次第で変わりうることは言うまでもない。
完成度はやはり昨年から継続路線のチームが高めの評価となるが、どこも未知数な部分が大きく最高レベルの評価はできなかった。その中で山形、大分、東京Vが17ポイントでトップ。山形はクラモフスキー監督のスタイルがかなり浸透しており、大分は監督が交代したとはいえ主力が変わらず、下平監督のサッカーを良く知る中川寛斗などを補強した。堀孝史監督の戦術がチーム内で共有されている東京Vも開幕から安定した戦いをしていきそうだ。
(企画構成:YOJI-GEN)