次世代のローテーション投手が大きな貢献 データで可視化「球団別・長所と短所」パ・リーグ投手編
2021年にシーズン15連勝の球団記録を打ち立てるなど快進撃をしてみせた山本(右)は沢村賞にも初選出されるなど不動のエースとして躍動 【写真は共同】
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2021年パ・リーグ:先発・救援別各種データ
【データ提供:データスタジアム】
オリックス
【データ提供:データスタジアム】
短所:救援の層の薄さ
オリックスは先発がリーグトップの貢献度を記録。タイトルを総なめにした山本が1人でプラス43.4点と圧倒的な貢献度を誇り、宮城と田嶋を合わせた3本柱は強力だった。昨年はケガに泣いた山岡も質の高いピッチングを見せており、コンディション面を整えて登板数を増やしたいところ。若手には成長著しい山崎颯がいて、新戦力としてワゲスパックを補強するなど、不安要素は少ない。
一方、救援投手は先発ほどの強みとはいえない。セーブを記録した投手が6人いたように、シーズン序盤から勝ちパターンを模索しながらの投手起用となった。経験豊富な平野佳や3年目の富山らが好成績を残すも、チームトップのホールドを記録したヒギンスは退団。そうした状況で期待される新戦力がドラフト1位の椋木だ。スピンの効いた直球が売りのパワーピッチャーで、中嶋監督が抑えでの起用を示唆するほど評価が高い。また、日本シリーズで救援登板した山岡にも抑えの構想があるようだ。現時点では勝ちパターンがどうなるか不透明であり、オープン戦から投手起用には注目したい。
ロッテ
【データ提供:データスタジアム】
短所:大きな貢献を残す投手の不在
ロッテは大きな貢献度を記録した投手が少なかった。先発では実績のある美馬と石川がそれぞれ不振と故障で本領を発揮できない中、若手の台頭が目立った。3年目の小島が自身初の2ケタ勝利を達成し、11月で20歳を迎えたばかりの佐々木朗がチームトップの貢献度を記録。ルーキーでは鈴木と河村がまずまずの活躍を見せた。外国人選手はロメロと契約延長にこぎつけ、先発の枚数はベテランから若手まで充実している。
救援陣では、守護神の益田が大きな貢献度を記録した。一方で、勝ちパターンとして活躍を見せた佐々木千、国吉の貢献度はそこまで大きいものではなかった。これは両者が残した防御率1点台という結果ほどには投球内容が優れていないことを示しており、昨年同様の成績を残せない可能性を踏まえた編成が必要になる。救援全体としての貢献度はリーグ平均以下となっており、即戦力ルーキーの廣畑、新助っ人のゲレーロの補強で底上げを図った。昨年の岩下や鈴木のように先発からリリーフへの配置転換で層を厚くする選択肢もあり、状況に合わせた救援投手の運用がシーズンの鍵を握りそうだ。