連載:データで可視化「球団別・長所と短所」

勢力図を左右するのは助っ人のデキ? データで可視化「球団別・長所と短所」パ・リーグ野手編

昨年優勝したオリックスで頼れる攻撃の原動力となった杉本(左)と吉田(右) 【写真は共同】

 新年を迎え、キャンプインの足音が聞こえてきた。2022年シーズンでの飛躍を誓い、選手たちが鍛錬に励んでいる中、チームもドラフト指名選手や新外国人選手の獲得などで、それぞれの方針に基づいて戦力補強を行っている。本稿では、21年のポジション別得失点貢献から各チームの長所や短所を可視化し、オフシーズンの補強と併せてチームの現状に触れていきたい。

【データ提供:データスタジアム】

 得失点貢献とはリーグ内の同一ポジションの平均的な選手と比較して、打撃・走塁・守備・投球でどれだけの利得を生んだかを示したものだ。例えばオリックスは三塁手のポジションにおいて、打撃と走塁を合わせた攻撃によって7.7点、守備で9.4点分チームの得失点に貢献していて、パ・リーグの平均的な三塁手よりもトータルで17.1点分の貢献をしたことを意味する。

2021年オリックス:ポジション別得失点貢献

【データ提供:データスタジアム】

長所:両翼の吉田正、杉本の攻撃力。三塁の総合力の高さ
短所:二塁、指名打者の攻撃力


 球団25年ぶりとなるリーグ優勝を果たしたオリックス。大きな強みとなったのが、吉田正と杉本の中軸コンビだ。吉田正は2年連続となる首位打者に輝き、杉本は打率.301、32本塁打と大ブレークを遂げて本塁打王を獲得した。両者は守備で大きなマイナスを記録したとはいえ、攻撃力に課題のあるチームだけに貴重な存在だ。また、サードの宗は攻守で優れた貢献を見せた。ベストナインとゴールデングラブに輝くなど、チームにとって欠かせない選手へと成長を遂げている。

 ただしリーグ制覇を果たしたものの、攻撃力に課題を抱えたポジションが多かった。二遊間には、新助っ人のバレラ、ドラフト2位の野口を補強。長打力に優れる太田の台頭にも期待がかかるところだ。一方でモヤとジョーンズが退団した一塁と指名打者は既存戦力の奮起が求められる。T-岡田やラベロといった選手が活躍できれば、連覇を引き寄せることができるだろう。

2021年ロッテ:ポジション別得失点貢献

【データ提供:データスタジアム】

長所:二塁・中村奨と外野陣の高い貢献度
短所:捕手、指名打者の攻撃力


 シーズン最終盤まで優勝争いを演じたロッテ。その原動力となったのが二塁と外野だった。二塁は中村奨がほぼフル出場。外野では荻野とマーティンが中心となり、リーグトップの584得点をたたき出した。迎えたオフは、レアードを含めた外国人選手の契約延長には成功したものの、今のところ大きな補強はない。安田や昨年レギュラーをつかみかけた藤原、山口といった若手選手の飛躍に期待したいところ。ドラフト2位ルーキーの池田は本職の二塁に加えて三塁もこなせるため、より激しい競争が生まれそうだ。

 そして最大の課題といえるポジションが捕手だ。後半戦は守備に定評のある加藤が主にスタメン起用されたが、打率1割を切るなど打撃面では貢献できなかった。故障もあって不本意な結果に終わった田村、バッティングに優れる佐藤都などチームに選択肢は多いこともあり、誰を中心に据えるか井口監督の起用法に注目したい。

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