高川学園vs.青森山田、注目すべき4つのポイント セットプレーが武器の両校はどう対応する?

安藤隆人
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 今年のインターハイ、プレミアリーグEAST優勝とユース年代のトップに君臨する青森山田が順当にここまで勝ち上がって来た。対するはセットプレー時に選手たちが手をつないでグルグル回ってからゴール前に入っていく、ユニークなプレーを披露して世間の注目を集めている高川学園。ここでは準決勝の高川学園vs.青森山田を4つのポイントに分けて解説していく。

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青森山田のロングスローに対し……

青森山田のロングスローが凄(すご)いのは、スロワーと中にいる選手との意思疎通や戦術が共有されていることにある 【写真は共同】

 青森山田の武器の1つといえばロングスローにある。近年の高校サッカーのトレンドになっているロングスローだが、ただ遠くに飛ばせるスロワーがいればいいだけではない。中で合わせる選手たちの戦術的な連係なくして、ゴールにはつながらない。青森山田のロングスローが凄(すご)いのは、スロワーと中にいる選手との意思疎通や戦術が共有されていることにある。

 基本的に青森山田はニアにヘッドの強い選手をストーンに置く。FW名須川真光やCB丸山大和などが状況に応じてニアに入り、飛んできたボールを頭に当てることで、相手守備陣のブラインドになるだけでなく、ゴール前でスクランブル状態を作ることができる。

 インターハイ決勝で米子北は徹底してニアのストーンをつぶしにきた。2人の選手で挟み込んで自由を奪うと、GKもセカンドボールに誰が反応するか目を光らせていた。こうした守備を高川学園が構築できるかがポイントになる。

 このインターハイの時と1つだけ違うのは、ロングスローは左サイドバックの多久島良紀がニアへのライナーボール、ファーへのボールを使い分けながら投げていたが、今大会は負傷でベンチに入っていない。代わりに右サイドハーフの藤森颯太が投げている。飛距離は多久島の方があるが、準々決勝の東山戦では藤森の右ロングスローから、ストーンに入った名須川が体をひねらせながらニアに頭で落とし、これにいち早く反応していたFW渡邊星来が冷静に蹴り込んだ。今年も武器であることに変わりはないだけに、高川学園がどのような対応をするのか注目だ。
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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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