大津vs.関東第一、注目すべき3つのポイント 初の決勝進出へカギを握る選手は?

安藤隆人
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 ともに初の選手権ベスト4進出となった。大津はこれまでも多くのJリーガーや日本代表選手を世に輩出し、インターハイでも2度準優勝に輝いているが、選手権に関してはこれまで縁がなかった。しかし、今回はGK佐藤瑠星、MF森田大智、FW小林俊瑛を軸に各ポジションにタレントが揃(そろ)い、確固とした実力でここまで勝ち上がってきた。

 一方の関東第一も開幕戦で中津東に6-0で大勝すると、2回戦ではチェイス・アンリ率いる尚志をPK戦の末に下して、初の3回戦進出。3回戦では矢板中央の堅守をこじ開けて3-2で勝利すると、準々決勝ではJリーグ内定者4人を擁する静岡学園に土壇場で追いついて、PK戦の末にベスト4までたどり着いた。

 ここでは準決勝の大津vs.関東第一を3つのポイントに分けて解説していく。

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関東第一は3バックか4バックか

準々決勝では静岡学園に土壇場で追いつき、PK戦の末にベスト4進出を決めた関東第一 【写真は共同】

 関東第一は1回戦から3回戦までは3-4-2-1を採用している。この狙いはいかに前線の本間凜、林尚樹、肥田野蓮治に攻撃の自由度を与えるかにあった。179センチの本間はボールを収めてからの反転スピードや、一瞬で相手の裏に入ってフィニッシュまで持っていくプレーがうまい。

 林は左右どちらのサイドでもボールを受けて仕掛けることができるアタッカーで、豊富な運動量と抜群のポジショニングで相手の嫌な位置に立ち続けることができる。

 そして10番を背負う肥田野は相手のギャップ間で浮遊しながらも、ボールを受けるポイントを常に探っており、ボールを受けたら前に仕掛けるだけではなく、長短のパスでゲームメイク、叩(たた)いてからゴール前にも侵入できる万能型ストライカーだ。

 この個性が違う3人の自由度こそが、関東第一の攻撃の生命線で、その上で左サイドのチャンスメークからフィニッシュ、ビルドアップまで関われるハイスペックなMF若松歩、ともに視野が広く展開力のある湯田欧雅と藤井日向のダブルボランチをどう機能させるかにポイントがあった。
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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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